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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第93話:剣を手折る槍
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人に一気に接近する。透とクリスがそれを迎え撃とうと身構えた。
その瞬間、横合いから飛んできた青い斬撃がグレムリンの進路を遮った。
「っと!」
「今のはッ!?」
透とクリス、そしてグレムリンが斬撃の飛んできた方を見ると、そこには案の定大剣型のアームドギアを構えた翼が佇んでいた。
「雪音! 北上!」
「先輩!!」
翼はアームドギアを刀に変形させると、それでグレムリンに斬りかかる。グレムリンは翼の一撃をバックステップで回避し、体勢を立て直す。
その間に翼は2人を庇う様にグレムリンの前に立ち塞がった。
「こっち来て大丈夫なのかよ!?」
「問題ない。ノイズは粗方片付けたし、立花は颯人さんに任せた。月読は緒川さんが本部へ連れて行ってくれた」
翼が2人に状況を話している間、グレムリンは手の中で剣を回したりして待っていた。何もせずに待っている事が何とも不気味だ。或いはその程度の時間はくれてやると言う、余裕の表れか。
「こいつはジェネシスの幹部か、2人だけでよく持ち堪えた!」
「気を付けろ先輩。こいつ、なんか変だ!」
「案ずるな。小賢しい手妻など、私には通用しない!」
言うが早いか翼はグレムリンに斬りかかる。刀を振りかぶって突撃してくる翼を、グレムリンは待ってましたと言わんばかりに迎え撃った。
ぶつかり合う2人の刃。翼の一太刀をグレムリンが双剣で受け止める。
そこから翼の怒涛の攻撃がグレムリンを攻める。鋭い剣戟が縦横無尽に放たれ、グレムリンに反撃の隙を与えない。
先程透と戦っていた時とは異なるグレムリンの対応。単に透がグレムリンと相性が悪く、翼はグレムリンと相性が良いから彼女の方が優勢に見えるのか、それともグレムリンが手を抜いているだけなのか。
その答えは直ぐに明らかとなった。
「たぁぁぁぁぁッ!!」
防戦一方となったグレムリンに、強烈な一撃を叩き込もうと前に出る翼。グレムリンもそれに合わせて彼女に向け接近していき――――
「ッ!? 駄目だ先輩ッ!?」
そのグレムリンの動きが、先程透の攻撃を空振りさせた時の動きと酷似している事に気付いたクリスが翼に向けて警告するが時既に遅し。
翼の一撃がグレムリンに向け放たれ、グレムリンはそれをまたしても不可解な動きで回避した。確実にグレムリンに直撃する筈だった翼の一太刀は、何故か外れグレムリンに対し大きな隙を見せる事となる。
「なッ!?」
不可解な現象に言葉を失った翼に、グレムリンの双剣が襲い掛かる。ギリギリで回避する翼だったが、そこから先は完全に攻守逆転しグレムリンが終始翼を圧倒していた。
「ほらほら、どうしたの? あれだけ大口叩いておいてさ!」
「くぅっ!? 何だ、コイツは
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