第六百二十五話 信長とお茶その十一
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「ゴロツキはね」
「そうだね」
「けれど」
それでもというのだ。
「信長さんは」
「下品じゃなくて」
「傾いていたんだ」
そうだったというのだ。
「本当にね」
「本物の傾奇者ね」
「そうだったから茶道も」
今五人で楽しんでいるそれもというのだ。
「嗜んでいたんだよ」
「茶道は礼儀作法も大事というか」
「それを身に着けるものでもあるから」
この時代でもそうなのだ。
「信長さんもそれをしていたから」
「それも若い頃からみたいね」
彰子がまた言ってきた。
「あの人は」
「そのうつけと言われたね」
菅は吉法師の頃から話した。
「実はね」
「茶道をしていたのね」
「平手さんが通じていて」
平手政秀である、織田信長の話では必ず出て来る人物の一人だ。彼の教育係でその振る舞いを諫める為に自害したと言われている。
「それで平手さんからね」
「教わっていたんだ」
「確かに傾いていて」
若き日の信長はというのだ。
「変わった服装で歩きながら食べたりしていたよ」
「大きなお家の跡継ぎとは思えない位に」
「そうだったけれど」
それでもだったというのだ。
「ちゃんと学問はしていて鍛錬もね」
「していたね」
「戦ごっこもその中にあって」
そこで手柄を立てた子供に褒美を与えたりもしていた。
「馬に乗って泳いだりも」
「していたのね」
「逃げるのは一人だね」
「ええ、その時は」
「その時馬に乗れるか泳げないと」
それこそというのだ。
「まず逃げられないから」
「だからその二つもしていて」
「そしてね」
それでというのだ。
「遊ぶ中でもね」
「ちゃんと学ぶべきことは学んでいたのね」
「鉄砲にも注目したし」
信長の代名詞の一つにもなっているそれにもというのだ。
「ちゃんと茶道もね」
「していたのね」
「その頃からね」
「それで礼儀作法も身に着けていて」
「ここぞという時は」
斎藤道三との会見の場等である。
「しっかりとね」
「礼儀正しかったのね」
「帝の御前でもだったし」
「帝って天皇陛下だね」
スターリングが言ってきた。
「あの方だね」
「その時のね」
「千六百年前にもあったね、日本の皇室って」
「というかその戦国時代の千年以上前からあるから」
「そうだよね」
「皇紀だと四千年だから」
このことも言うのだった。
「だから戦後時代でもね」
「普通に出て来るね」
「そうだよ」
「というか茶道より歴史古いなんてね」
蝉玉も日本の皇室の話もした。
「つくづく凄いわね」
「源氏物語にも出ているしね」
菅も応えた。
「それで万葉集でもね」
「帝の歌もあるのよね」
「飛鳥時代以前のね」
「無茶苦茶長い歴史ね」
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