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レーヴァティン
第二百十五話 渡河その九

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「王国に」
「そういうことか」
「どのみち俺達は降った敵に何もしない」
 全くというのだ。
「それならな」
「敵に何かをしてもね」
 それでもとだ、留奈が言ってきた。
「意味ないしね」
「自分の兵や民になるからな」
 久志も応えた。
「だからな」
「降るならよし」
「罪を犯していないと何もしないさ」
 敵だった者でもというのだ。
「それこそ」
「そうよね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「降ってもいいなら」
「ただしそのまま降るにしても」
「意地があるしな」
「一戦も交えずにはいられない」
 降るにしてもというのだ。
「そうした考えもあるんでしょうね」
「それで決戦を挑んできたか」
「ええ、じゃあね」
「ああ、連中が挑むならな」
「受けて立つわね」
「そうするな、じゃあ決戦の場に向かうぜ」
 こう言ってだった。
 久志は兵をさらに進めさせた、その間多くの物資もライン川から運ばれてきていた。それだけでなく。
 地中湖からも多くの物資が制湖権を掌握していることから多くの物資が運ばれてきていてそうしてだった。
 物資は潤沢にあった、その物資を見て。
 久志はここでも言った、その言ったことはというと。
「四十万の大軍になるとな」
「物資も凄いね」
「ああ、これだけあるとな」
 剛にその物資の山を見つつ応えた。
「でかい街の一つはな」
「養えるね」
「だからな」
 それでというのだ。
「つくづく凄いって思うな」
「四十万の大軍の物資ともなると」
「食料に医療品、武具にね」
「服だってあるしな」
「もう何でもあるよ」
 それこそというのだ。
「しかも人も集まるし」
「ものを売る商人にな」
「娼婦の人達もね」
 剛は彼女達に顔を向けた、見れば男娼もいる。
「いるしね」
「女性の将兵がいてもああした人はいるな」
「だって軍隊はどうしても男の人が多いから」
 それ故にというのだ。
「だからね」
「来るんだな」
「稼ぎにね」
「そしてそれがな」
「軍には必要だよ」
「性欲の解消の為にか」
「どうしてもね、僕達だってこっちの世界じゃ結婚してるじゃない」
 剛は自分達のことも話した。
「皆ね」
「俺も含めてな」
「恋愛の為でもあって」
 結婚はというのだ。
「そしてね」
「性欲もか」
「解消する為でもあるよ」
「生々しいな」
「いや、生きものなら」
 剛は笑って話した。
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