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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百二十五話 総帥さんのお言葉その二

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「いいね、だからこのままだよ」
「このままですか」
「成長していくんだ」
 僕に優しい声で話してくれた。
「いいね」
「そうですか」
「人を認める、そして」
「自分は低くですね」
「そうすることがいいよ、ただ自信は」
 これはというと。
「持っておくことだよ」
「それはですね」
「そう、自分をわかることも」
 自信を持つイコールそういうことだというのだ。
「大事だからね」
「そのうえで謙遜するんですね」
「そういうことだよ、それと」
 総帥さんは今度は。
 香織さんを見た、そうして香織さんにも声をかけた。
「君は義和君の交際相手の人かな」
「はい」
 香織さんは総帥さんの質問に微笑んで答えた。
「堀江香織といいます」
「そうなんだね」
「はい、彼と同じ学校に通っています」
「八条学園だね」
「高等部に」 
 そこにというのだ。
「そうさせてもらっていまして」
「お付き合いもだね」
「させてもらっています」
「彼のことを宜しくね」
 総帥さんは笑顔で香織さんに言った。
「これからも」
「彼のことをですね」
「うん、そうしてくれるかな」
「私でよければ」
 これが香織さんの返事だった。
「そうさせて頂きます」
「ではね、では私はもう少しね」
「お餅をつかれるんですね」
 僕が問うた。
「そうさせるんですね」
「うん、もう少しね」
「そうですか」
「流石に畑中さん程は無理だけれどね」
 畑中さんのこともお話に出た。
「今年も凄いね」
「そうですね、九十過ぎには思えません」
 今もつかれている、とんでもない足腰と背筋そして肩の力があればこそだ。直新陰流は伊達じゃないということか。
「あの人は」
「鍛錬の賜物だね」
「十一キロの木刀を千本二千本振られるので」
「それも毎朝だね」
「だからですね」
「あの人は別格だよ」
 総帥さんも言われることだった。
「勝海舟さんにも負けていないね」
「幕末のあの人ですね」
「あの人も直新陰流でね」
「それも免許皆伝でしたね」
「そう、畑中さんと同じでね」
「当時から見ても小柄だったそうですが」
 一四九センチだったという、当時の日本人の大人の男の人の平均身長は一五五センチ程だったというから当時でも小柄だった。
「強かったそうですね」
「幕末は剣客も多かったけれどね」
「新選組もそうでしたし」
「その中にいてもだよ」
「あの人はかなりでしたね」
「そうだったそうだね」
「人を斬ったことはなくても」 
 この辺りその新選組や他の剣客達とは違う。
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