氷結の魔人
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水と火の斬撃が、折れることのない槍とぶつかる。
「……!」
顔を強張らせるスイムスイムは、槍を振り回しながら、地面に潜る。
「また潜った……!」
「こういうの、本当にどこから出てくるか分かんねえんだよな……!」
ウィザードと龍騎は背中を合わせる。
すぐに地面から襲ってくるスイムスイム。二人はそれぞれ剣を受け流し、その攻撃を反らしていく。
「氷が解けてるなら……」
ウィザードはスイムスイムの斬撃を躱し、指輪を使う。
『コネクト プリーズ』
空間湾曲の魔法。落ちているリキッドの指輪を拾い上げ、ハンドオーサーを操作する。
『ルパッチマジックタッチ ゴー ルパッチマジックタッチ ゴー』
「っ!」
入ってくるスイムスイムの刃を堪えながら、ウィザードは魔法を発動させた。
『リキッド プリーズ』
液体となったウィザードは、そのままスイムスイムへ斬り込む。
今度は、しっかりと命中。彼女は痛みに怯みだす。
「よし……同じ液体同士なら、戦える!」
スイムスイムは、また潜って攻撃してくる。
ウィザードはそれに対し、固体であることを放棄した体で斬り結ぶ。
「っしゃあ! だったら俺も!」
龍騎は近くに落ちている鏡の破片へ飛び込む。
鏡の世界を行き交う特性を持つ龍騎。スイムスイムの液状、飛び出す能力に対し、鏡を出たり入ったりすることで、攻撃を回避し、逆に攻撃を当てていく。
やがて、ウィザード、龍騎、スイムスイムの三人は、鏡と地面を目まぐるしい速度で行き来して激突することとなった。
何度も火花を散らす、鏡と液体の戦士たち。
やがて、戦いに傾きが生じだす。
「くっ……」
先に地面を転がったのは、スイムスイム。
ウィザードは液状を解除し、ミラーワールドから出てきた龍騎も並び立つ。
旗色が悪くなってきたスイムスイムは、少しずつ後ずさり始める。
やがて、勝てないと悟ったのか、スイムスイムはウィザードたちへ背を向けて逃げ出した。
「待って!」
ウィザードと龍騎は、彼女を追いかけようとする。
倉庫の中を巡り、通路を曲がり。
「どこだ!?」
「分かんねえよ!」
埃だらけの部屋を通過し、賞味期限の切れた食料棚をひっくり返し。
いつしかウィザードと龍騎の変身は切れ、ハルトと真司に戻っていた。
そのままスイムスイムの姿を探し、そこに白い姿はあった。
「お待ちしていましたよ」
確かに、白い人物。
だが、スク水の少女ではなく、男性であった。
白いコートに身を包んだ人物。倒れた棚に腰を下ろし、ゆったりと爪をやすりで研いでいる。
「……?」
全く見覚えのない人物の登場に、
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