氷結の魔人
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室内を雪山に変えていく。
「これは……」
龍騎は、倉庫の景色に言葉を失った。真っ白な景色の中で、龍騎はドラグセイバーを構える。
そして。
「ぐあっ!」
龍騎の背中から火花が散る。切り裂かれた痛みを理解したのは、龍騎の鎧が雪の上に擦りついてからだった。
「アイツ、もしかして雪の中から……!」
だが、その姿を視認することができない。一撃、また一撃とレイの爪を食らうたびに、龍騎の体がどんどん負傷していく。
「どうすれば……っ!」
その時、龍騎の動きが止まる。顔を上げ。
「おや? 諦めましたか?」
吹雪の中から、レイの声が聞こえてくる。
「……」
龍騎はそれに応えず、こっそりとベルトからカードを引き抜いた。それを静かにドラグバイザーに装填する。
だが、レイは構わずに続けた。
「では、このまま消えていただきましょう」
やがて、吹雪が色濃くなる。生身ならば凍死する温度だが、龍騎は動かなかった。
「さようなら」
そう、レイの声が告げる。
同時に、龍騎はドラグバイザーを動かした。
『アドベント』
吹雪より、灼熱の龍がその姿を現わす。
ドラグレッダーは龍騎を中心にとぐろを巻き、そのままレイから龍騎を防御する。
「なに……!?」
弾かれたのであろうレイが舌打ちする。
さらに、龍騎はドラグレッダーへ命令する。
「頼むぜドラグレッダー! この吹雪を焼き払ってくれ!」
無双龍は咆哮で応える。
火炎を吐き、雪景色を赤く染め上げていく。
氷は急上昇した温度により蒸発し、屋内に水蒸気が立ち込めていく。
「まさか……」
「へっへ〜ん。どんなもんだ!」
これでレイの姿がハッキリした。龍騎は得意げに指をさす。
「お前の姿が見えねえなら、全部防御しちまえばいいって思ったぜ、コイツなら可能だからな!」
「ですが、だからと言って貴方が優位に立った訳ではありません」
「どうかな? こう見えても俺、結構やるんだぜ?」
龍騎はそう言いながら、カードを引き出す。
『ストライクベント』
召喚されたドラグクロー。さらに、ドラグレッダーもまた、咆哮とともに攻撃の体勢に入る。
「はああ……」
ドラグクローを構え、その口元に炎が溜まっていく。
一方、レイもまた、その口に冷気を宿らしていく。
そして。
互いに吐き出された炎と氷がぶつかる。
激しい温度差同士が、密閉された空間を満たしていく。
やがて、激しい気流とともに爆発した。
蒸気で視界が無くなる中、さらに氷結の爪が龍騎へ向かう。
「また来る……ッ!」
ドラグクローに炎
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