氷結の魔人
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号令により、レイキバットが本来の位置であるベルトに収まる。
ようやく隙ができた。
改めてウィザードへ変身を試みようと、ハルトはルビーの指輪へ手を伸ばすが、それよりも先にレイが迫る。
「やばい!」
「変身!」
だが、それよりも先に、真司がハルトの前に割り入り、変身する。無数の鏡像と炎とともに、その姿が龍騎へと変わる。
同時に、レイの拳が龍騎の装甲を穿つ。
龍騎も負けじと腕を掴み、レイを押し返す。
「真司!」
「先に行けハルト! こんなところで二人とも足止め食らうわけにはいかねえ!」
「あ、ああ!」
頷いたハルトは、スイムスイムの後を追って走りだす。
「させませんよ」
レイはそう告げながら、龍騎を突き飛ばし、生身のハルトを狙う。
だが、その腕は龍騎によって掴み、避けられる。
レイの腕がコンクリートを砕き、破片が散る。
「行け! ハルト!」
「ありがとう!」
ハルトは礼を言って、スイムスイムが泳ぎ去っていった方向へ走り去る。
龍騎を振り払ったレイは、しばらくハルトが去っていった方を見つめていた。
「まさか、逃がしてしまうとは……」
「へへっ、悪いな。しばらくの間は俺が相手してやるから、許してくれよな」
龍騎が鼻をこすりながら言う。
「まあいいでしょう。先にあなたを八つ裂きにすれば済む話です」
「させねえよ。お前の戦いも、俺が止めてやる!」
龍騎はそう言って、ファイティングポーズを取る。
「出来ますかね……? あなたに」
レイはどこからともなくフエッスルを取り出す。それを迷いなく、ベルトのコウモリに噛ませた。
『ウェイク アップ』
コウモリがそう告げると、レイの両腕の鎖が弾け飛ぶ。
そして、解放された腕からは、凶悪な鉤爪が伸びた。
「なんか……氷といい、東條の奴を思い出すな」
レイは鉤爪を構え、龍騎に踊りかかる。
『ソードベント』
鉤爪の攻撃を避けながら、龍騎はカードを左手のドラグバイザーに装填する。
召喚された青龍刀で、さらに追撃を行うレイの攻撃を捌く。
さらに、切り上げによってレイの鉤爪を流し、開いた隙にドラグバイザーがついた左手で殴る。
「ぐっ……!」
レイも思わぬ反撃に驚いたのか、地面を転がる。
「まさか、反撃してくるとは思いませんでしたよ」
「だったら、もう戦うのは止めろ! これ以上戦う必要なんてない!」
「そうはいかないんですよ……私を葬ってくれた人への報復のためにも、新しい命が必要なんです」
「新しい命……」
そのワードを、龍騎は反芻した。
レイは、口から白い粉雪を吐き出す。
それは、周囲の景色を白く染め上げ、
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