氷結の魔人
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そして。ハルトたちが身構えるとともに、彼は行動に移す。
「レイキバット」
彼は叫ぶ。すると、どこからともなく白いものが飛来してきた。
『行こうか。華麗に激しく』
そういうそれは、白いコウモリだった。
白い大きな顔と赤い目。だが、胴体はない。顔に直接小さな翼と足がある、デフォルメされたような姿。それは、彼の腰に逆さ向き収まると、その目を赤く発光させる。
「変身」
『変身』
その掛け声とともに、ベルトから雪の結晶の形をしたホログラフが現れる。それは、白い男と重なるとともに粉々に砕け、雪となり振り始める。
そして、その雪の中、彼の姿もまた変わっていた。
白いもふもふとした毛皮を全身から生やした者。両肩からは黄色い爪が角のように突き出ており、両腕にはそれを封印するように何重にも鎖が巻かれている。
そして彼はその青い目を、ハルトたちへ向けた。
『さあ、やれ! レイ!』
レイ。
そんな名前の氷の魔人は、言葉も少なく襲い掛かってきた。
変身する間もなく、ハルトと真司はその剛腕に首を絞められる。
悲鳴を上げる間もなく、二人の体はそのまま壁に押し付けられる。壁を容易く破りながら、レイは二人を転がす。
固いコンクリートの上を転がったハルトと真司。だが、生身であっても、レイは容赦しない。
「残念ですが……」
屋内の空間に吹雪を巻き起こしながら近づいてくるレイ。白いはずの彼の体は、より純白なる雪景色によって黒い影にも見えた。
「あなた方は、ここで倒れていただきましょう」
丁寧な口ぶりだが、その言葉の裏にある残虐性は隠せていない。
ハルトはドライバーオンを、真司はカードデッキを使ってベルトをそれぞれ出現させた。
だが、変身するよりも先に、レイが襲い掛かる。
真司は転がり、ハルトは蹴りでレイのパンチを相殺する。
「逃がしませんよ。レイキバット」
『俺に任せなァ……』
レイのベルトのコウモリがベルトから外れる。そのまま、レイキバットなるコウモリは、レイから離れていく真司の先回りをした。
「うわっ! なんだコイツ!」
『凍えるぜ』
レイキバットの口から、冷気が放たれている。それは、真司を後ずさらせ、強制的にレイの射程圏内に入れていく。
「真司! 仕方ない……!」
『コネクト プリーズ』
変身よりも現在の防衛が優先。
そう判断したハルトは、コネクトの魔法で、ウィザーソードガンを取り出す。トリガー部分で銃を回転させながら、レイとレイキバットへ発砲した。
銀の弾丸は、氷の生命体たちに命中することはなかったが、真司からレイキバットを引き離すことには成功した。
『ぬぅ……』
「レイキバット」
レイの
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