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私の中に猫がいる 完結
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わけでも無かったが

「なんなんだ 今の―」と、顔を見合わせて、「なんか、気味悪い 向こう行こうぜー」と、離れて行った。

「なによー 拍子抜け すずりちゃん 何か、聞こえたような気がしたけど・・聞こえなかった?」

「いいぇ 私には、なんにも・・」と、とぼけて

「お付き合いして、長いんでしょう 喧嘩なんかしないんですか」

「したわよ なんども でも、女って、一度、身体許すと弱いからね、喧嘩しても、抱かれたら忘れっちゃうんだよね」

「それは、私には、刺激が強いなぁ」

「そうだったわね 私達ね、年があけたら、一緒に住むんよ 少しでも、節約できるしね」

 帰りの電車の中で、私は、少し、ほろ酔いだった。

「プチ さっきは、守ってくれてありがとう ああいう風に、寄って来られると、私 身震いしちゃうから」

「しょうがないよ 相手は、下心あるからね」

 私、電車のドァのところに立っていたんだけど、さっきから、側にお酒を飲んでいる中年のおじさんが居るのを感じていた。

「おねえちゃん さっきから、何を独りでぶつぶつ言っているんだい あぁ ワシにも同じ年頃の娘がいてね 高校卒業したら、男とさっさと東京に行ってしまいやがった」

「そうですか お寂しいですわね」と、嫌だけど、返していた。

「そうなんだよ だから、いつも、飲んでしまってね おねえちゃん 可愛いね お尻なんかもプリンとして」と、撫でるような仕草をしたら

 又、プチがうなった。その人は手を押さえて、「なんで、突然ヒリヒリするんだ 危ない もう、少しで痴漢になるとこだったわ」と独り言を言いながら、移動していった。

「私 プチが居ると 最強だね」と言いながら、ほろ酔いで、あの店の前を通って、帰って行った。


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