暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第108話『VS.巨人』
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
より燃費は悪いが、桁違いの出力でスピードを底上げできる。身体がさらに軽く感じ、今にも飛べそうな気分だ。


「準備オッケーだよ、結月」

「いつもより風が強い……やっぱりハルトは凄いや。うん、ボクも負けてられない──"鬼化"!!」


その瞬間、空気の流れが変わった。そして身も凍るような冷気と、身の毛もよだつような鬼気が肌を刺す。この感覚は、2回目だろうととても慣れそうにない。

晴登の隣、鬼と化した結月が顕現する。


「……これだけ近いと、さすがに寒いな」

「ごめんねハルト。少しだけ我慢して」

「いや、夏だからちょうどいいかも」


今回もコントロールに問題はなく、きちんと理性を保っている。……いや、暴走したことはそもそもないんだけど、そこは心配しちゃうもので。

身に染みる寒さに軽口を叩いた晴登は、ひっそりと口角を上げる。前は見ているだけだったが、今回こそ鬼化した結月の隣で戦えるのだ。場違いかもしれないが、ついワクワクしてしまっている自分がいる。


「……ちょっと、あんまりこっち見ないで。こんな姿、見られたくないから……」

「え、何で? かっこいいじゃん」

「……! もう、ハルトのバカ……」

「えぇ?」


率直な感想を述べただけなのだが、結月がそっぽを向いてしまった。何かおかしなことを言ってしまっただろうか。


「もう、行くよ! ハルト!」

「お、おう!」


結月に急かされ、慌てて晴登は前を見る。

壁のように立ち塞がる巨人2人。字面だけ見れば、鬼やドラゴンにも匹敵するのではなかろうか。強大な敵だ。

それでも、この2人でなら立ち向かえる。そうやって、今まで修羅場を突破してきたのだ。もはや負ける気はしない。

そう思ってワクワクしながら、晴登と結月は地面を大きく踏み込んだ。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ