第108話『VS.巨人』
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る。高身長の彼らの頭上を軽々と飛び越えられるのは、"風の加護"様々だ。
「だが着地は隙だらけだぞ!」
「"氷槍一閃"!」
「ちっ……!」
『着地を狩ろうとしたところを、氷の槍で牽制! 上手く凌ぎました!』
「ナイス結月!」
「当然!」
結月の機転により着地は成功し、両チームの位置がちょうど開始時の正反対の位置になる。攻防は一段落と言ったところか。
「これからどうする、ハルト?」
「近距離は勝てないから遠距離一択なんだけど……離れて戦おうにも、防がれるならどうしようもできない」
開幕の攻撃を防がれたということは、ちょっとした遠距離攻撃じゃビクともしないだろう。つまり、隙を見て大技を叩き込む必要がある。
「問題はどうやって隙を作るか……」
隙を作る上で厄介なのは、"斧"ではなく"爆破"の方だ。威力も規模も未知数なので、このままでは小細工ごと吹き飛ばされかねない。
「……だったらいっそのこと、ぶっぱなしてみない?」
「それはさすがに脳筋すぎじゃ……いや、やってみる価値はあるか」
隙が作れないのであれば、上から力でねじ伏せるという結月の強引な提案。ちょっと手詰まりになっていたところなので、この作戦が状況を打開するきっかけを作ってくれれば、あるいはそのまま本当に押し切ってくれてもいい。物は試しだ。
「なら、この技だな」
「よっ、待ってました」
さっきは断ったが、今度は晴登から結月と手錠で結ばれている側の手を繋ぐ。そして背中合わせになり、2人の魔力を握った手に込めていった。
これこそ、2人が繰り出せる最大の技。
「「合体魔術! "氷結嵐舞"っ!!」」
氷と風。2つが合わさり、猛吹雪を巻き起こす。地面が割れるほどの衝撃と、大気が凍りつくほどの冷気が、轟音を鳴らしながら相手チームに襲いかかった。
「合体魔術だと!?」
「へぇ。思った以上にあの2人は手強そうだね」
観客席では、影丸とアーサーが驚きを見せていた。
つまるところ合体魔術とは、この2人にとってさえ、目新しい高難易度魔術ということだ。
『ここでまさかの合体魔術! 威力も凄そうだ! チーム【タイタン】、どう凌ぐのか?!』
「はっ、面白ぇ!!」
「ふっ!」
迫り来る猛吹雪に対して、叫びながら轟が斧を構える。続いて、それに呼応するように建宮が爆破を起こした。
避ける訳でもなく、真っ向から防ぐ姿勢。爆風が壁となり、さらに斧でも防御する。しかし、いくら何でもそれくらいでこの技を耐えられるとは思えない。
吹雪が爆風に触れ、水蒸気爆発を起こす。灰煙が巻き起こって視界が悪いが、果たし
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