第108話『VS.巨人』
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』
「「はぁっ!!」」
ジョーカーの試合開始の宣言とともに、晴登と結月は遠距離からの先制攻撃を仕掛ける。今回は相手を怪我させる心配をしなくていいので、初手から"鎌鼬"を放った。
「初っ端から手加減なしだな。そう来なくっちゃ面白くねぇ! そらよ!」
「防がれた……!」
「さすがに一筋縄じゃいかないね」
しかし、轟の右手に突如として現れた大斧に、2人の攻撃はあえなく弾かれてしまう。やはり本戦をここまで勝ち上がっただけのことはあり、この程度の攻撃では動じてくれない。
というか、1m以上にも及ぶ大きさの斧を片手で振り回すなんて、相当な怪力である。
「こんなもんか? 次はこっちの番だ!」
「距離を詰めてきた!」
「退こう!」
体格こそ不釣り合いな2人だが、身長と歩幅が同じくらいとあって、それなりの速度で近づいてくる。
あの斧の一撃を喰らう訳にはいかないので、たまらず晴登たちは距離を取ろうとした。が、
「ふん!」
「くっ!」
腕も長い轟の斧のリーチは思いの外長く、危うく直撃しそうになってしまう。しかしそこは、結月が反射的に氷の壁を張ったおかげで何とか凌げた。ただ、
「これで終わりではないですよ!」
「……! ハルト、逃げよう!」
「え……うわぁっ!?」
建宮がそう言って指を鳴らした直後、目の前で爆発が起こり、壁が跡形もなく破壊される。もし結月の声掛けがなければ、壁ごと吹き飛ばされていた。間一髪である。
「大丈夫、ハルト?!」
「あぁ、ありがとう結月。それにしても爆発か……」
距離をとって体勢を立て直す2人。やはり、近距離は向こうに分があるようだ。どうにかこの距離を保たなければならない。
『開幕から強烈な攻撃を加えた【タイタン】でしたが、【日城中魔術部】は辛うじて耐えました! この勝負、1秒たりとも目が離せません!』
「「「うおぉぉぉぉ!!!!」」」
ジョーカーも観客も大盛り上がり。歓声で会場の空気が震えるのを肌で感じながら、晴登は打開策を探る。
今の交戦から、轟の能力は物理属性の"斧"、建宮の能力は"爆破"と推測できる。どちらも威力も範囲もありそうなので、結月の"氷"とは相性が悪そうだ。
「まだまだいくぞ!!」
「くっ……結月、飛ぶよ!」
「わかった!」
『おっと、ここで【日城中魔術部】、空へと退避! これは良い判断です!』
「ふむ」
「上手く逃げやがったな」
再び距離を詰められそうになったので、場外に追い詰められないためにも、2人は大きくジャンプして戦況のリセットを図
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