第百四十四話 赤い彗星
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意味がありまして、テレーゼ皇女殿下の御召艦ラプンツェル級三番艦ですよ」
「なるほど、確かによく似ているが…」
「もの凄く気高く美しい姿でしょう、なんと萌萌な塗装でしょう。そして乙女に相応しい気品を醸し出しています」
ケスラーもメックリンガーも何とも複雑で言い辛そうな顔をしているが、担当技官は何処吹く風か、口角を飛ばしながら説明を続ける。
「三番艦ですので装甲、機関、アビオニクス等も格段に強化されていますし、一番艦ラプンツェルでは中央艦体後方ブロックがワルキューレ格納庫に、二番艦ヴァナヘイムでは雷撃艇格納庫と成っていますが、その部分を索敵及び艦隊制御用大型コンピューターシステム装置に置き換えてありますので、未知の領域や小惑星帯などでの索敵や艦隊運動に格段の進歩を遂げているのです」
「なるほど、それならば、想定される戦場でも十二分な働きを期待できるだろうが…」
「そうです。後方には格納庫が残っていますが、此は新開発の高速偵察機のスペースとして確保されており36機が搭載される様になっており、戦術戦略に深みが益すこと請け合いです」
やっとケスラーが少将に質問をした。
「所で少将、何故艦色が、赤色なのだ?」
ケスラーは赤色と言っているが、実際は艦体主要部がワインレッド色で更にサーモンピンク色ストライプが施されていた。つまりは赤系統色のツートンで塗装されていたわけである。
ケスラーの質問に、待ってましたとばかりに、造船少将は再度喋り始める。
「この艦の改良点は機関部にも及んでいます。ラプンツェルやヴァナヘイムに比べて機関出力は30%アップしていますので、機動性、加速性も格段の進歩なのです」
「いや、機関ではなく、何故赤いかなのだが」
ケスラーもメックリンガーも困った顔をし始める。
「通常の30%の出力である以上は、赤い色しか認められないのです!」
なんだか力説しているが、さっぱり判らない二人である。
更に艦体をよく見ると艦体中央の最も高い位置に有るセンサーユニットの天辺に帝国軍の艦艇には珍しいブレードアンテナが1本誇らしげに立てられていた。
「あのアンテナは、邪魔なのではないか?」
ケスラーの言葉を聞いた少将は更にヒートアップしながら答え始めた。
「赤で、30%増で、専用機ならアンテナがないと駄目なのです」
造船少将は訳の判らない理論で捲し立ててくる。
見かねたのか、部下の造船准将が補足説明を開始した。
「失礼致します。小官は造兵准将ラファエル・タウベルトと申します。誠に申し訳ありま
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