第百四十四話 赤い彗星
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くとは」
「まあ、宗教などは、弱者のより所だからな、門閥貴族共にしてみれば、邪魔な存在なのだろう」
「なるほど、歴史が示していますね、虐げられた者達が宗教によって団結し叛乱を起こす」
「まあ、くだらない事だが、そう言う事だろうな」
「此を纏めて、提出しないとですね」
「そうだな、門閥貴族共が困る姿を見るのも一興だからな」
「はい、ラインハルト様」
ラインハルトとキルヒアイスは、まんまと、テレーゼの敷いたレールの上をノーブレーキで走っていく、その後、憲兵総監グリンメルスハウゼン上級大将に資料を提出した結果、再調査が行われ、地球教への社会秩序維持局が不当な罪をなすりつけていたとして、地球教側に異例の謝罪が行われ、地球教側が安心する事に成る。尤も、帝国側は完全に地球教側どころか、地球自体監視下に置いていたのであるが。
これら、作られた功績により、ラインハルトが大佐に昇進し、遂にキルヒアイスへ並ぶ事に成った。
その事を聞いたテレーゼが『金髪も元帥までは出世させてあげて、一刻ぐらい皇帝になった夢ぐらいは見させてあげましょう』と呟いたとか。
大佐に昇進したラインハルトはキルヒアイスと共に12月1日付けで宇宙艦隊総司令部付き参謀に任命され、宇宙艦隊総司令部へ出頭する事に成るのである。
帝国暦484年10月25日
■銀河帝国オーディン皇帝専用造船工廠
明年早々叛乱軍に対しての侵攻作戦に参加し、ヴァンフリート星域の反乱軍基地を降伏させるために計画された一個艦隊の編成準備に入ったケスラー中将は参謀長メックリンガー少将と共に、新たにケスラー中将に下賜されケスラー艦隊旗艦となる旗艦級新造戦艦を受け取るために造船工廠を訪れていた。
ケスラーにしてみれば本来ならば、大将に昇進した時点で下賜される専用旗艦が中将でしかない自分に下賜されること自体が異常な感じで有ったが、ケスラー自身の立ち位置等が加味された結果、下賜される事になったのであった。
一応今回は対外上下賜という事にせずに、臨時に新造艦をテストに使うという名目で貸与されることにされていた。
ケスラーとメックリンガーが到着すると、工廠の関係者が現れ、挨拶をしてくる。
「ケスラー中将閣下でいらっしゃいますな。小官は造船少将ヴェルナー・フォン・ペルシュケと申します。中将は運が宜しいですな。この艦をご覧下さい」
些か怪しい言動をしながら、ペルシュケ造船少将がドックのライトを点灯させると巨大な戦艦がライトアップされた。
ケスラー達の前に現れた艦は、見慣れた標準戦艦やヴィルヘルミナ級といったシルエットではなく、テレーゼ皇女殿下の御召艦に非常に酷似していた。
「この艦はエリュテイア、赤い乙女という
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