第十七話 裏側のことその六
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「だから咲もね」
「餓鬼になっている人達には近寄らなくて」
「咲自身もよ」
「餓鬼にはならないことね」
「そのことは気をつけてね」
娘の目を見てじっと見て告げた。
「いいわね」
「そうするわ」
咲も答えた。
「それは怖いから」
「絶対にね」
「餓鬼になったらな」
父はここで遠い目になって述べた。
「本当にも助からないかもな」
「どうしようもないって言ったわね」
「父さんもそうした人は見てきた」
生きながら餓鬼道に堕ちた輩はというのだ。
「国会でもいるしな」
「ひょっとして野党の」
「いるだろ、女の人達で」
「何かショートカットの人多いわね」
「八条グループは違うが組合にも多いみたいだな」
労働組合にもというのだ。
「それで学校の先生にも」
「何か学校の先生って」
咲も教師と聞いて察した。
「犯罪犯す人が」
「多いな」
「どうもね」
「そうした人達はな」
どうにもというのだ。
「何かそうしたな」
「餓鬼道に堕ちた人が多いのね」
「野党の女の人達でよくテレビに出てくる顔を見るんだ」
「皆卑しそうね、男の偉い人達も」
「あれが餓鬼の顔なんだろうな」
「ああした顔の人には近寄らない」
「絶対にな」
そうしろというのだ。
「そうした方がいいぞ、そして餓鬼はな」
「救われないって言ったけれど」
「餓鬼を救える人は相当以上に徳がある人でも難しいだろうな」
「徳があっても」
「相当以上にな」
「そうなの」
「何があっても恩義を感じないし反省しないあらためない人をどう更正させられる」
それはというのだ。
「そもそも」
「そう言われると」
「そうした人が餓鬼になるんだ」
「それで餓鬼を救えたら」
「もうな」
それこそというのだ。
「その人は本物を遥かに超えたな」
「凄い人なの」
「仏様の域に達してこそな」
まさにというのだ。
「出来るかもな」
「餓鬼を救うって本当に難しいのね」
「お父さんもこれまで鬼や畜生と言われた人も見て来たが」
「そうした人は救われたのね」
「まだな、しかし餓鬼になるとな」
「救われなかったのね」
「そんな人は一人も見なかった」
それこそという言葉だった。
「悪魔と言われても救われた人もいたがな」
「餓鬼になるとなの」
「いないな」
「餓鬼は本当に酷い存在なのね」
咲は父の話をここまで聞いて腕を組んだ、そうして真剣な顔になってそのうえで声もそうしたものにさせて言った。
「仏様でないと救われない」
「お母さんも餓鬼はそうだと思うわ」
また母が言ってきた。
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