第十七話 裏側のことその五
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「やっぱりね」
「大事にしないといけないって思うでしょ」
「家族だし命があるんだから」
「当然心だってあるわよ」
「だったら大事によね」
「接するのよ」
「ペットショップで働いても」
「将来ね、本当にヤクザ屋さんも関わっているから」
母はこのことをまた言った。
「余計によ」
「ああしたところにまで関わってるなんて」
「思わなかったわね」
「全くね」
心からとだ、咲はまた答えた。
「想像もしなかったわ」
「だからお金になりそうで警察の手が及ばないところだとね」
「ヤクザ屋さんは関わるのね」
「手を伸ばしてくるのよ」
闇の中からそうしてくる様にとだ、母は娘にそうした口調で話した。これは彼女が実際に思ってい折るからこうした風に言ったのだ。
「それでね」
「悪いことをして」
「お金を儲けるの」
「可愛いワンちゃんや猫ちゃんを利用して」
「そうするのよ」
「酷いわね」
「それで酷い飼い主もいるから」
飼う、買う方にも問題があるというのだ。
「平気で捨てる人がね」
「そうした人も餓鬼かしら」
「そうよ」
返事はその通りというものだった。
「まさによ」
「そうした人も餓鬼なのね」
「死んだら本当によ」
その時はというのだ。
「餓鬼になるのよ」
「その時は」
「そう、心が餓鬼になっていれば」
「死んだら身体も餓鬼になるのね」
「そうなるのよ」
「餓鬼って凄く苦しいのよね」
咲は眉を曇らせて述べた。
「そうよね」
「地獄じゃないけれど地獄にいるのと同じか」
「もっと?」
「そうかも知れないわね」
そこまで苦しいというのだ。
「だっていつもね」
「餓えていて渇いていて」
「お腹の中も虫が一杯いて攻撃して来るから」
「いつも痛いのね」
「そうした風だから」
それ故にというのだ。
「餓鬼になるとね」
「地獄に落ちるより辛いかも知れないのね」
「地獄もかなりだけれどね」
「何か一杯あるわよね」
咲も地獄での責め苦については聞いている、少しでありその知識も断片的だが大きく分けて八つの地獄がありその八つの地獄もそれぞれ八つに分かれていることは知っている。
「針の山とかね」
「血の池もあるわね」
「鬼に切り刻まれたりね」
「燃やされたりするわね」
「ええ、凄いわね」
「その地獄よりもね」
餓鬼になることはというのだ。
「若しかしたらね」
「辛いかも知れないのね」
「そうかも知れないわ」
こう娘に話した。
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