暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第十七話 裏側のことその三

[8]前話 [2]次話
「そんなことして捨てるなら」
「お父さんもそう思うけれどな」
「世の中そんな人もいるのね」
「ああ、それでこんな手合いは次の子供が産まれたらな」
「最初の子供は無視するのね」
「そうするんだ、出来のいい子の方を可愛がったりしてな」
「子供も贔屓するのね」
 咲は余計に嫌そうな顔になった。
「それはね」
「酷いことだな」
「ええ、子供は公平にでしょ」
「育てないと駄目だな」
「邪険にされる子が可哀想よ」
「そう思うから咲はいいんだ」
 父はここでは微笑んで述べた。
「そのままでいてくれ、けれどそうじゃない人もいてな」
「子供が何人かいたら贔屓する子がいたり」
「生きものもな」
「捨てるのね」
「そうした人もいるんだ」
「最初から飼ったら駄目な人達も」
「そうだ、それでお店やブリーダーの人でもな」
 そうしたところでもというのだ。
「碌でもない人がいるんだ」
「ヤクザ屋さんとか命を何とも思っていない人が」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「いるんだ、それでな」
「そうした人達がいて酷いことをしている」
「そのこともな」
「覚えておかないといけないのね」
「そうしてくれ」 
 娘のその顔を見て言った。
「いいな」
「わかったわ」
 咲も強い声で頷いた。
「私絶対に忘れないわ」
「モコも大事にするな」
「当り前よ」
 当然、そうした返事だった。
「モコは家族でしょ」
「そうだな」
「だったらね」 
 それならというのだ。
「何があってもよ」
「それでいいんだ」
 まさにとだ、父は咲に言った。
「だからな」
「ええ、これからもね」
「モコを大事にして他の子もな」
「大事にすることね」
「そしてペット業界のこうした話もな」
「覚えておくことね」
「そうしてくれたらお父さんも嬉しい」
 こうも言うのだった。
「忘れないでくれ」
「絶対にね」
「そうしてくれ」
「お母さんもそう言うわ」
 母がまた行ってきた。
「命のことだから」
「覚えておくことね」
「そうしておいてね」
「そうしていくわね」
「そしてね」
 それでというのだ。
「若しそうしたところに就職するなら」
「それなら」
「そうよ、そうしたお店やブリーダーの人にはね」
「入らないしならない」
「そうしてね」
 絶対にという言葉だった。

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ