暁 〜小説投稿サイト〜
美少女超人キン肉マンルージュ
第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(1)
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 アナウンサーの声など届いていない様子で、キン肉マンルージュは着ているドレスを大胆に脱ぎ、メラメラと燃えているドレスをキャンバス上に投げ捨てた。そして、だんだんずだん! と、足蹴にして消火する。
 気が狂ったようにドレスを踏みつけにするキン肉マンルージュを見て、観客とアナウンサーは、やっと状況がのみこめた。
 踏みつけられたドレスは、最後にプスンと黒い煙を上げて、鎮火した。
 しばしの沈黙――
 周囲には、はぁはぁ、というキン肉マンルージュの荒くなった息だけが、聞こえている。
 スカートの裾部分だけになってしまったドレス。そのドレスのスカートを握り続けて、呆然とするミーノ。固まる観客。いつもと変わらず見守っているマリ。
 アナウンサーは目を点にしながらも、ひと言いった。

「炎のプリンセス、無事、鎮火」

 キン肉マンルージュは涙目になりながら、背中をさすっている。

「ううう……ひりひりするよう……」

 リングに放り出され、ぺたんとキャンバスに尻をついているミーノは、きょとんとした顔をして、キン肉マンルージュを見つめる。
「キン肉マンルージュ様……コスチュームが焦げていますですぅ……」

 ミーノはブラに手を差し込み、ごそごそと探る。そして、真ん中に“肉”と書かれた、大きなうちわを取り出した。
 ミーノは、ぶわさぁ、ぶわさぁと、キン肉マンルージュの背中を仰いだ。

「プペプペプペプペプペッ! おまえ、おもしろいのな!」

 不意に上がった笑い声に、キン肉マンルージュは辺りを見回す。しかし、周囲にはミーノしかいない。

「なんだろ、あれ……人形?」

 リング上には、真っ黒い人形が、ちょこんと座っていた。

「あの人形が次の相手、ノワールプペですぅ!」

 人形は首を上げ、歪んだ笑みをキン肉マンルージュに向けた。

「はじめまして、ノワールプペだよー。おまえをころすまでの、みじかいつきあいだけどー。なかよくしてよねー」

 ボタンの目で見つめられ、キン肉マンルージュの全身に、冷たい電撃が流れた。

「あの子がノワールプペ……なんだろう……すごく……すごく嫌な感じがする……すごく変な……すごく怖いよ……」


「私も、同感なのですぅ……ノワールプペ……とても悪魔的というか……本物の悪魔と対峙しているような……ひどい違和感に襲われるのですぅ……」

 ノワールプペは、のたりと立ち上がる。そして、首を斜めに曲げて、うつむき加減にキン肉マンルージュを見つめる。

「さあて、じゃあ、さっそく、ヘンシンといこうかなー」

“ざくぅ!”

 ノワールプペは、自らの胸を切り裂いた。そして、乱暴に手を差し入れる。

「えーと、どこかなー」

 ノワールプペは胸の中をかき回し
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