第2試合
【第2試合】 VSノワールプペ(1)
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いる。背中が燃え盛っているキン肉マンルージュを見ても、それがハプニングであると、誰も気がつかない。そのせいで、誰も消火にあたろうとはしなかった。
キン肉マンルージュは、かちかち山のファイヤーたぬき状態のまま、気品溢れる入場を続けている。
「ああ……熱い……でも、この熱さが、わたしに勇気を与えてくれる……でも……本当に熱い……あっつぅぅぅうううういッ!!」
キン肉マンルージュはカッと目を見開き、物凄い勢いで振り向いた。すると、背中が大火事になっていた。
「ああ! 熱い! こ、この熱さは、わたしに火傷を与えてくれるぅぅぅ!」
自分の身に起こっている大惨事に、今頃気がつくキン肉マンルージュ。
「熱い! あつい! あっっっつうううぅぅぅうううぅぅぅいいいぃぃぃッ! 大変! タイヘン! マッスルたいへん! へのつっぱりどころの騒ぎじゃないよ!」
キン肉マンルージュは、思い切りスカートをたくし上げ、ドタバタと暴れるように走り出した。
突然、猛烈な勢いで走り出したキン肉マンルージュ。ミーノはスカートの裾を掴んだまま、宙に浮いてしまう。
「ひにゃあああああぁぁぁぁぁ! 走るなら走ると、言ってくださいなのですぅ!」
「ひにゅうううううぅぅぅぅぅ! 燃えてるなら燃えてると、言ってくださいだよぉ!」
ひどい勢いで走り出したキン肉マンルージュを見て、アナウンサーは興奮する。
「おおおおお! 炎のプリンセス! まるで弾丸のようだ! 炎の弾丸! ロイヤルファイヤープリンセスブリッド! スロープという名のファイヤーロードを突き抜ける!」
キン肉マンルージュはリングの目の前まで来ると、膝を最大限に使って、飛び上がった。
「炎のプリンセス、雄雄しく舞う!」
男顔負けの跳躍を見せるキン肉マンルージュ。ドレスのスカートは、ぶわさぁと広がり、スカートの中が丸見えになっている。そしてスカートの裾を掴んでいるミーノは、涙を風に飛ばされながら、歯を食いしばっていた。
更に、飛び上がった勢いで背中の炎があおられ、手に持っていたブーケに着火してしまう。
「ぅあっつうううううぅぅぅぅぅいいいぃぃぃ!!」
キン肉マンルージュは、燃え盛るブーケを持ち続けるのに耐え切れず、両手を挙げてブーケを放り出した。
「炎のプリンセス、炎のブーケトスだあ!」
燃え盛るブーケが、観客席に向かって飛んでいく。
突然、火の塊が飛んできて、観客達は蜘蛛の子を散らすように、必死になって逃げていく。
「ごめんなさぁぁぁぁぁあああああいいいぃぃぃ!」
空中で観客に謝りながら、キン肉マンルージュはリングの中に飛び込んだ。その姿は、まさに炎の弾丸であった。
「炎の弾丸、リングに着弾!」
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