腐敗した街
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「日々成長している。
嬉しい限りだ。」
そう言いながら、俺は空いている右手で上に振り上げた木刀を掴み、俺の胴に打ち込んでくる一刀の木刀を防ぐ。
そのまま、刃を滑らせ、根元から一刀の木刀を上に完全に弾く。
真上に弾いた木刀はそのまま落ちていき、俺の右手に収まる。
最後に左手で持っている木刀で軽く一刀の頭を叩く。
「今日の修行は終わりだ。
さぁ、着替えて飯にするぞ。」
右手で持っている木刀を一刀に渡してそう言う。
悔しそうな顔をしながら、一刀は頷いた。
他の皆は、少し離れたところで俺達の修行を見ながら食事をとっていた。
「ふむ、見事ですな。」
近づいてくる俺に星はそう言葉を投げかける。
豪鬼から食事を受け取り、皆の輪に入る。
「一刀の奴、どんどん強くなっていく。
そろそろ、あいつ専用の刀を準備しないとな。」
「一刀さんの刀を?」
俺の言葉を聞いて、月火は俺の腰にある刀に視線を向ける。
月火と豪鬼は最初は俺の刀を物珍しそうに見ていた。
「あいつは俺の同じ様な剣が一番扱いやすいらしい。
この旅が落ち着いたら、俺の刀を基盤にした刀を作って貰わないとな。」
と、フランチェスカの制服に着替えた一刀もやってきて、豪鬼から食事を受け取り食べ始める。
これからの事や雑談などをしながら食事を終えた。
「お父さん、そろそろご飯が無くなってきてるよ。」
食料を詰める鞄の中身を確認しながら美奈はそう言う。
美奈は子供だがしっかりしている。
現にこうやって、食料が無くなってきていたらちゃんと教えてくれる。
「美奈、ありがとう。」
「えへへへ。」
豪鬼のごつごつした手で頭を撫でられて、嬉しそうな顔をする。
「美奈ちゃんってしっかりしているよな。」
「一刀殿の言葉に同意ですな。」
「あんなに小さいのに、これはいいお嫁さんになるわね。」
一刀と星と月火は豪鬼親子を優しく見つめながら、率直に思った事を口にする。
それを聞いた美奈は小さい胸を張りながら言う。
「お父さんは不器用だから、洗濯も料理もできないの。
村の人に迷惑をかけていたから、私が何とかしないとって思って。」
美奈の言葉を聞いた俺達は一斉に豪鬼に視線を向ける。
こんな子供に色々と苦労させる親に冷ややかな視線を送る。
それに気がついた豪鬼は慌てたように言う。
「ま、待ってくれ!
確かに儂は不器用だが、美奈に全部任せまいと色々と手伝ってだな・・・・」
「洗濯を手伝うって言って、服をぐちゃぐちゃにしたり。」
「うっ!」
グサリ、と美奈の剣のように鋭い言葉が豪鬼の胸に深く突き刺さる。
「今度は料理を手伝うって言って、材料を滅茶苦茶に切
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