とっておきの夏(スケッチブック×のんのんびより)
2人の夏海と空の説諭
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なっつん(越谷夏海)
「へー、なっちゃんもウチと同じ“夏海”っていうんだね!」
なっちゃん(麻生夏海)
「そうなんよ。10月生まれなのになぜか漢字は“夏の海”って書くっちゃん。おかしかろう?」
なっつん「そんなことないよ、ウチだって1月生まれなんだし。それになっちゃん明るいから『夏生まれです』って言われたらみんな本当に信じちゃうと思うな」
空「」ウンウン
なっちゃん「そげん(そう)!? ありがとう!ばり(とても)嬉しかー!」
なっちゃんの頬がほんのり赤く染まった。
褒められることに慣れていないのか、彼女は少し照れているようだった。
朝霞「同じ名前でともに赤毛ですし、なんだか二人が本当の姉妹のように思えてきましたよー。……そういえばさっきからずっと思っていたんですけど、一穂さんとささっさん(樹々)ってどこか似てると思いません?」
一穂と樹々は思わず顔を見合わせた。
木陰「言われてみれば目つきや雰囲気が似ているかもしれないわね。まさか生き別れた姉妹だったりして」
れんげ「姉ねぇ、生き別れたのん!?」
一穂「そんなわけないっての。でも確かに似てるよねー、ささっさんも糸目だし」
渚「生物学では系統的に近い関係にある種や、外見は違えど実態的に同じであると見なされている種のことを“近縁種”というんです。例えばタイワンウチヤンマとウチヤンマは同じヤンマ科に属するトンボで近縁種なんですが腹部にある“ウチワ”と呼ばれる器官の形状が微妙に違っている。それはきっと人間でいったら他人の空似ということになるんでしょうけど、そういう意味では一穂さんと樹々君もひとつの近縁種なんでしょうね」
なっつん「栗ちゃんの口からまるでマシンガンのように難しい言葉がスラスラと…!?」
ひかげ「驚いただろー?私たちより遥かに昆虫に詳しいみたいなんだ」
なっつん「ウチらが一番の虫博士だと思っていたのに!上には上があるってことか……」ガーン
なっつんはガクッと膝をついた。
なっつん「そういや、れんちょんたちは美術部のみんなとどうやって知り合ったん?」
れんげ「ウチ、ひか姉と虫取りしてたん!」
一穂「へー、どこで?」
ひかげ「うちの田んぼ。そこで知り合った」
なっつん「なるほど」
れんげ「そして珍しい虫も見つけたのん!ひか姉!!」
ひかげ「あー、ケータイね。はいはい」
ひかげはポケットからケータイを取り出すとタガメの写真を表示し、そのまま机の上に置いた。
なっつん「こ、これはタガメ…!?」
れんげ「そうなん!ひか姉とっておきのひみつの場所で取ったん!ひか姉もの知りなんなー。ウチも知らないようなところを
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