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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第8話:手掛かりのダンペン
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いぞ。ユウスケ」
「んな!分かってるってそんな事!」
士がユウスケのかつての想い人の名前を出してからかった。
その隣では小狼が『羽根探し』の方へ行くと一同へ伝える。
「おれは変わらず姫の羽根探しをやります」
「んじゃあオレも羽根探しの方へ行くか」
「わりぃが俺は小野寺の方にいくぜ。G3ユニットやらに強い奴がいるかもな」
「ええ、黒鋼さん。あまり暴れないでくださいね?」
ファイは小狼と、黒鋼と夏海はユウスケの方と別れていく。
そんな中、士はサクラの傍に近づき、彼女へ尋ね始める。
「おい、サクラ」
「士さん?どうしたのですか」
「お前、今朝は何か浮かなかった顔だったがどうしたんだ」
士に今朝の出来事について聞かれると、サクラは複雑な表情を浮かべる。
サクラは士を連れて一同から少し離れると、彼へこう答えた。
「……私だけ、仮面ライダーっていう力を手にできなかったなって思って」
「…?なんだ、それがどうかしたんだ?仲間外れは嫌だったか」
「私も小狼君達みたいに強かったら、よかったなって。そしたら、皆が傷つくことが少しも減らせるかなと思ってしまって」
少し悲しい表情を浮かべるサクラ……そんな彼女を見かねた士は溜息を付きながら彼女の頭にポンと手を乗せる。
それに驚いたサクラは士の顔を見上げる。
「つ、士さん?」
「そう躍起になるな。夏ミカンだって同じ立場だ……お前が無事だから安心するんだろ」
「………はい」
「それにだ、敵と戦うだけが戦いってわけじゃない。―――お前にはお前なりの戦いがある」
「私の戦い?」
「それを見つけられるのはお前次第だがな」
そう言いながら、士はサクラの目線まで視界を下げてそう告げる。
彼の言葉に少しは元気づけられたか、サクラの表情は多少明るくなる。
そこへ彼らを呼びに来た小狼が駆け寄ってくる。
「サクラ姫、士さん。行きますよ」
「おう、悪かったな。ちょっと話していた」
「大丈夫、心配かけたよね」
サクラは小狼へそう告げると、二人と共に一同の元へ戻る。
やがて小狼達一行は二手に別れようとしていた時だった。
彼らの周囲に銃撃がばら撒かれる。
「なんだ!?」
「―――よぉ、初めましてというべきか、御尋ね者の悪魔ちゃん」
士が声をした方へ向けると、そこに立っていたのはアクセレイガンを向けるライオトルーパー達と、彼らを連れた一人の黒服の光景。
恐らくネオライダーの一人だろう……先頭に立つ黒服はこちらへ向けて指を指す。
「こっからはオレ様が相手になるぜ?涙目になって怯える覚悟しとけ!」
―――ネオライダーの三度の襲撃戦、始まる
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