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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第7話:次元のマジョ
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れでも、取り戻したいものがある。
助けたい人がいる。
その思いを胸に宿した小狼は、士と侑子に頭を下げた。
「―――士さん、侑子さん、おれ達をライダーにしてください」
「だいたいわかった……おい魔女、対価は払ってやるから願い叶えろ」
『ええ、その願い、承ったわ』
士はやれやれといった表情で侑子に言った。
対して彼女は『対価の内容』を一同に告げた。
『ではディケイド、あなたの空白のカードの一部あるでしょう?それをモコナへ渡しなさい』
「士のカードを?」
『ええ、ディケイドの力はその一端でも強大よ。対価にするには十分に値するわ』
「まあいい、毛玉。ほれ」
「あーい!ぱこーん!」
士は手元にあったライドブッカーからブランクのカードを取り出し、モコナに差し出した。
モコナはそれを吸い込み、そのあと口から三つのアイテムが飛び出てくる。
飛び出たアイテムたちは小狼、黒鋼、ファイの元へ渡される。
小狼には蝙蝠の紋章が描かれた黒いカードデッキ。
黒鋼には鬼の意匠が入った黒い音叉。
ファイには蛇を彷彿とされる銀色の円盤。
三人は物珍しそうに眺める中、士は渡されたアイテムについて侑子へ尋ねる。
「何故アンタがライダーのベルトを持っているんだ?」
『昔の客にそれを出した人いたのよ。対価として受け取っただけのこと』
「え……それって、それを渡したライダー達と会ったってこと?」
ユウスケは侑子が対価に渡した人物達と会った事に気づく。
それに対して侑子は何も答えず、にこやかな笑みを一同に向ける。
『ではこれで用は済んだようね』
「待て、これをどうやって使うのか教えてもらってねえぞ」
『それは、彼らが教えてくれるわ』
「教えてくれる……?」
黒鋼の問いへそう答えた侑子の言葉にファイは首を傾げる。
戸惑う彼らを他所に、侑子は会話を終えるとその姿を消した。
小狼が手にしたカードデッキを眺めていると心配するようにサクラが顔を覗かせる。
「小狼君……?」
「あ、ああ。どうしましたか、サクラ姫」
「無茶しないでね」
「大丈夫ですよ。おれなら」
そうサクラへ笑いかける小狼、だがそれでも不安そうに彼女は見つめる。
戦う彼らの力になれない、己の不甲斐なさを胸に秘めながら。
―――――
某所。
そこには地面に倒れ伏した幾人ものライオトルーパー達がいた。
その光景を目にしながらやってきたネオライダーの斬刃と風嵐は彼らを倒した【襲撃者】を見ながら喋っていた。
「ライオトルーパーといえど1小隊を撃破するとはなかなかの腕前だな」
「うっわーひっどい。ボコボコにされる覚悟はできてるかしら?」
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