147 姿を消した杉山
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て、返答が来た。
『こちら煮雪あり。夫の悠一と共に彼女らの元へ向かいます』
護符の所有者の姉だった。
「畏まりました。宜しくお願い致します」
とある屋敷。そこに一人の女性がいた。彼女の名はテレーズ。嘗て少女時代にフランスでの幽閉生活に苦しみ、更には王女となってからもオーストリアやイギリスへ亡命をしたりと苦労の多い女性であった。
(おばあさまが帰ってこないわ・・・。一体何しているのかしら・・・?)
その時、テレーズの元に一つの剣が現れた。
「これは、おばあさまが持っていた宝剣・・・!!」
テレーズはその宝剣を持つと、声が聞こえた。
[テレーズ、私だ。祖母のテレジアだ。今、お主の母上・アントワネットがまた攻めている。私は今やられた。こう宝剣はお主に引き継ごう。そしてあの忌まわしい我が娘、そしてお主の母上をどうか倒しておくれ・・・]
自身の祖母・テレジアの声だった。
「おばあさま・・・」
テレーズは泣いた。しかし、今の自分に祖母の宝剣で母を倒すなどできるのだろうか。いや、やるしかない。テレーズは動き出す。そして、誰かが入って来た。
「テレーズ」
「貴方はイマヌエル?」
「今、君の母君がこの付近に来ているのが分かると思うが、君のおばあさまであるテレジアが倒されたとの情報が入った。それが故に君がその宝剣をテレジアから引き継がれたのだろう」
「はい。ですが、私が前線に立てるのでしょうか?」
「大丈夫だよ。嘗ての世界の人間達を呼び寄せて君と共に戦ってくれる。彼らが君達を守ってくれるはずだし、君もまた手助けにやって来た人達を援護するんだ」
「分かりました。来て頂いた皆様の為にも頑張ります!」
「ありがとう」
テレジア出発した。嘗て国民から贅沢な生活ばかりをして反感を買った事で自分を幽閉生活に追い込み、かつこの世界で自分を脅かし、更には祖母を殺したあの恐ろしきかつ憎き母を必ず制圧する為に。イマヌエルの言葉で勇気を持った嘗ての王女は前線に立っていく。
かよ子は敵のいる方向へと進む。そして見つけた。
「あいつだ!」
一人の女性が向かっていた。
「おい、お前!」
大野が叫ぶ。
「何かしら?貴方達」
女性はかよ子達の方を向いた。
(この人が敵・・・!?)
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