147 姿を消した杉山
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
かよ子達は東北東の方角に向かっていた。
「この先に藤木君がいるんだね・・・」
「でも藤木のいる温泉ってどれだけ離れてんだ?」
大野が気になった。
「距離はかなり遠いわね」
のり子の持つ人形・キャロラインが説明した。
「この人形・探知もできるの?」
かよ子は驚いた。
「うん」
のり子は素っ気なく答えた。ブー太郎は本部で会った時から彼女を非常に無愛想な女子だと思っていた。
「探知できるなら間違った方向に進む事もないだろうな」
警官の椎名はそう言った。
「・・・なあ、さっきネロが倒されたと聞いただが、まだ俺の胸騒ぎが収まんねえ、寧ろひどくなってんだ」
大野が言う。
「・・・て事はまだ『敵』がいるの!?」
かよ子は近くに襲撃者がいるとなると不安になった。
本部のとある一室。平和主義の世界の主と先代の杖、護符、杯の持ち主は地図を確認する。
「本部守備班が一人の侵入者を倒しましたね」
「ええ、でも、もう一人残ってるわね」
まき子は確認した。その方向には自分の娘も含まれる藤木救出班が近づいている。
「藤木君の救出班が近づいているわ!」
「分かりました。本部守備班に援軍に行かせます。こちらの陣地を出ます前に交戦しますから時間が惜しくなります。山田まき子さん、お願いできますか?」
「分かったわ」
まき子は通信道具を使用する。そして藤木救出班と本部守備班を対象に連絡する。
「もしもし、本部守備班。藤木君救出班の進む方向に別の敵が来ているわ。彼らの援護をお願いします」
まき子は連絡を終えた。そして娘の無事を祈る。
(かよ子・・・。無事でいて・・・!!おっちょこちょいしても頑張るのよ・・・!!)
りえはみゆき、鈴音、そして冬田と共に杉山を追いかける。
「待ちなさいよっ、杉山君っ!!どこ行くのっ!?」
りえは叫ぶ。
「うるせえ!ついてくんな!!」
「何言ってんのよっ!一人じゃ危ないわよっ!」
「俺は一人で平気だ!」
みゆきは仕方ないと思い、持っているブーメランを投げて杉山の背中に当てて杉山を転ばせた。四人は杉山に追いついた。
「一人で勝手に動いて、いい加減にしなさいよっ!」
杉山はすぐに立ち上がった。
「うるせえ、お前はピアノでも弾いてやがれ!」
「何ですってっ!?アンタって本当に最低ねっ!そうやって私達から逃げてっ!やっぱりアンタは『臆病者』ねっ!」
杉山は「臆病者」という言葉に過剰に反応した。
「てめえ・・・!!」
杉山はさらに怒りを募らせた。りえ達は羽根ごと急に吹き飛ばされた。
「キャアーーー!!」
りえ達を悲鳴を挙げて遠ざけた。杉山はあの事を思い出した。夏休みに会ったりえと喧嘩ばかりしていた事、その際、教会でピアノを弾いていた彼女を幽霊と思って腰を
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ