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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百六十四話
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け無いだろう。さて、私の恋人に八つ当たりとはいい度胸だな阿良々木暦」
金髪に狐の耳、金色の4本の尻尾を背にした箒が空中に立っていた。
暗雲を背に、秋の稲穂のような温かみのある金色。
雨に濡れることなく、何者も穢しえぬのではないかというほど神々しくあった。
「箒ちゃん…悪いが僕は、全部知ってて何もしないユートピア…いや織斑一夏を許せな」
次の瞬間、箒が一瞬にして暦に近づき、全力で蹴飛ばした。
「ぐぁっ?」
吹き飛んだ暦に対し、箒が軽蔑の目を向ける。
「立て阿良々木暦」
ツカツカと歩み寄り、暦の襟首を掴み上げる。
「貴様のような男に一夏をどうこう言う権利があるのか? お前のような器の小さい男が! 誰かを傷つける勇気のない貴様が!」
箒の空いた左拳が暦の頬に突き刺さる。
「一夏は選んだぞ。全員を愛すると。それがお前はどうだ? 妹達や千石の気持ちを知りながら。育さんの気持ちを知りながら!」
箒が手を離すと同時に蹴りを入れる。
「翼さんと付き合うのはいい。貴様の勝手だ。だが千石や育さんに対して何か言ったのか」
「なぁなぁで済ませたんだろう。わかってくれるなどと甘えた気持ちで!」
「そんなんだから。そんなんだから!」
「育さんが怪異になってしまったんだろうが!」
札を呑んだのは千石撫子ではない。
老倉育が。
彼女が蛇神と化したのだ。
「貴様はこの結末を知っていた一夏が許せないと言ったな」
立ち上がった暦が叫ぶ。
「あたり前だ! いつだってそうだ! ユートピアが動いていさえいれば!」
その顔を真横から箒の足が薙ぐ。
暦は地面に倒れたまま、起き上がる気配はない。
思い切り側頭部を蹴られて気絶していた。
「聞くに堪えんな。全て貴様が原因だろうに」
踵を返した箒が一夏に歩み寄る。
「帰るぞ。一夏」
「やりすぎじゃないか? それに暦さんの言いたいことも…」
「知らんな。あんな軟弱者放っておけ」
一夏が視線を逸らす。
いや、箒から逸したのではなく、別の懸念事項へ向けたのだ。
その方角の先にあるのは北白蛇神社だ。
「一夏。他人の恋路には関わるな」
「でも育さんを阿良々木家が預かるよう仕組んだのは俺だ」
「だろうな。だがその後の事はお前の責任じゃない。
それをどうにかしようとするのはただの傲慢だ」
一夏を抱き上げた箒がさり際に、阿良々木家から様子を見ていた忍に言った。
「忍さん、伝えておいてくれ。誰かを傷つける勇気のない者にに誰かを愛する資格などない、とな」
箒と一夏と奏が去った後。
ザァザァと降りしきる雨の中。
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