暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百六十四話
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
け無いだろう。さて、私の恋人に八つ当たりとはいい度胸だな阿良々木暦」

金髪に狐の耳、金色の4本の尻尾を背にした箒が空中に立っていた。

暗雲を背に、秋の稲穂のような温かみのある金色。

雨に濡れることなく、何者も穢しえぬのではないかというほど神々しくあった。

「箒ちゃん…悪いが僕は、全部知ってて何もしないユートピア…いや織斑一夏を許せな」

次の瞬間、箒が一瞬にして暦に近づき、全力で蹴飛ばした。

「ぐぁっ?」

吹き飛んだ暦に対し、箒が軽蔑の目を向ける。

「立て阿良々木暦」

ツカツカと歩み寄り、暦の襟首を掴み上げる。

「貴様のような男に一夏をどうこう言う権利があるのか? お前のような器の小さい男が! 誰かを傷つける勇気のない貴様が!」

箒の空いた左拳が暦の頬に突き刺さる。

「一夏は選んだぞ。全員を愛すると。それがお前はどうだ? 妹達や千石の気持ちを知りながら。育さんの気持ちを知りながら!」

箒が手を離すと同時に蹴りを入れる。

「翼さんと付き合うのはいい。貴様の勝手だ。だが千石や育さんに対して何か言ったのか」

「なぁなぁで済ませたんだろう。わかってくれるなどと甘えた気持ちで!」

「そんなんだから。そんなんだから!」

「育さんが怪異になってしまったんだろうが!」

札を呑んだのは千石撫子ではない。

老倉育が。

彼女が蛇神と化したのだ。

「貴様はこの結末を知っていた一夏が許せないと言ったな」

立ち上がった暦が叫ぶ。

「あたり前だ! いつだってそうだ! ユートピアが動いていさえいれば!」

その顔を真横から箒の足が薙ぐ。

暦は地面に倒れたまま、起き上がる気配はない。

思い切り側頭部を蹴られて気絶していた。

「聞くに堪えんな。全て貴様が原因だろうに」

踵を返した箒が一夏に歩み寄る。

「帰るぞ。一夏」

「やりすぎじゃないか? それに暦さんの言いたいことも…」

「知らんな。あんな軟弱者放っておけ」

一夏が視線を逸らす。

いや、箒から逸したのではなく、別の懸念事項へ向けたのだ。

その方角の先にあるのは北白蛇神社だ。

「一夏。他人の恋路には関わるな」

「でも育さんを阿良々木家が預かるよう仕組んだのは俺だ」

「だろうな。だがその後の事はお前の責任じゃない。
それをどうにかしようとするのはただの傲慢だ」

一夏を抱き上げた箒がさり際に、阿良々木家から様子を見ていた忍に言った。

「忍さん、伝えておいてくれ。誰かを傷つける勇気のない者にに誰かを愛する資格などない、とな」








箒と一夏と奏が去った後。

ザァザァと降りしきる雨の中。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ