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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その十
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 翌日、午前九時。昨日の夕方同様、緑公園に稟と柳哉の姿があった。もっとも、今回呼び出したのは稟の方だが。

「で、結論は出たのか? やけに早かったが」

「ああ」

 そう言って頷く稟。その顔を見て若干苦笑いする。

(心を決めたら後は行動あるのみ、か。まったく、そのあたりは昔から変わらないな)

 当たり前の事のように思うだろうが、これを実行できている人は意外に少ない。心を決める所まで行っても、なかなか行動に起こせない、という人も多い。昔から“当たり前の事が当たり前にできる”という大きな美徳を持つ稟がやけにモテるのも当然の事なのかもしれない。事実、柳哉もそんな稟に“惚れた”クチである。断っておくが、稟にも柳哉にもBL及び同性愛な趣味は一切無い。無いったら無い。

「どうしたんだ?」

「……いや、何か変な電波を受信したような……」

 気にするな。

「まあ、それはいいとして、だ。答えを聞こうか」

「ああ、俺は楓との関係を変えたい。楓と恋人になるためじゃなくて、自分を変えるためにだ」

 柳哉は黙っている。何か言いたそうだが、最後まで聞いてからにするようだ。そんな柳哉に内心で感謝しつつ、言葉を続ける。

「思えばさ、俺はずっと甘えてたんだ。このどこかぬるま湯に浸かっているかのような生活に、それを提供してくれる楓や桜、シアやネリネ、他にもたくさんの人達に」

 稟の独白が続く。

「ずっとこのままの生活を続けていきたい、そう思う心も確かにある。でも、それじゃだめなんだ。ずっと続いたりなんかはしない。いつかは終わってしまう。このままじゃそれが終わってしまった時、俺は何もできなくなる。自信を持って言える」

 稟の口調はどこか自嘲気味だ。無理もない。

「だからこそ、だ。自分を変えるために、まずは楓との関係を変えたい。そして、少しでも楓と対等の立場になりたい。今のままだと、きっとダメになるから。恋人云々の話はそれからだ」

 そうして稟は柳哉に向けて口を開く。

「これが、俺の答えだ」

 伝えたい事は全て伝えた。後は柳哉次第だ。その柳哉は真剣な表情で沈黙を保っている。稟は柳哉を注視している。
 やがて柳哉の表情がほぐれた。

(今のお前の姿を鉢康さんと紫苑さんが見たら、泣いて喜ぶだろうな、きっと)

「へ?」

「いや、なんでもない」

 そう言って、表情を改める。

「覚悟は、できているな?」

「ああ」

「後悔するかもしれんぞ?」

「何もせずに後悔するより、何かして後悔するほうがよっぽどいい」

 かつて柳哉の父、草司が言った言葉を真似る稟に苦笑する。

「分かった。手を貸そう」

「ありがとう」

「礼を言うのはまだ早いだろ
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