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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その九
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肌の手入れを仕込まれているせいもある。そのため柳哉は男性としては珍しく、髪や肌に気を使っており、風呂に入っている時間も長めだ。さすがに玲亜や菫よりは短いが。
「今日は母さんは?」
「遅くなるそうです。日が変わる前に帰れるかどうか分からないそうです」
「そうか。で何を作った?」
「メインは肉じゃがです。後は……」
そんな会話を交わしつつ、兄妹はダイニングに向かった。
* * * * * *
緑公園から帰宅し、夕食を摂った後、稟は自室のベッドの上で考えていた。
(俺がどうしたいのか、か……)
柳哉の言ったことはもっともだ。自分が柳哉と同じ立場で昨夜のような相談を受けたら、やはり恋愛相談だと判断するだろう。言われてから気づく自分もどうかと思うが。
(いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない)
頭を振って思考を切り替える。今考えるべきなのは“自分がどうしたいのか”だ。
(俺は楓との関係の変化を望んでいるのか?)
“あの後”も態度の変わらない楓。いつも通りの日常を望むのならそもそも変える必要はない。柳哉の言っていたことは正論だ。だがそれに納得できない自分がいる。ならば関係を変えるべきなのか? 変えるとしてもどのように変えるのか? 楓と恋人になるのか? いやそもそも楓の考え自体が分からない。というかそんな動機で楓と恋人になるなんて楓だけでなくシアやネリネにも失礼だ。
「もしかして……」
唐突に思いついた。関係を変えるのではなく、自分が変わりたいのではないか? このどこかぬるま湯に浸かっているような生活を送っている自分を。楓やシア、ネリネのように自分に好意以上のものを持ってくれている人達に甘えている今の自分を。そう考えると心の中にあったどこかもやもやしたものが消えていくのが分かった。
(自分を変えていくためにも、まずは……)
時計を見ると、既に日が変わっている。さすがにこの時間に電話するわけにはいかない。朝一番で電話をしよう。そう決めて眠りについた。
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