第六百二十五話 信長とお茶その二
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「土地は限りがありますね」
「はい、それは」
スターリングもそれはと答えた。
「特に地球だけの時代は」
「余計にですね」
「もう褒美の度に分け与えていると」
「与えるべき土地がなくなります」
「そうですね」
「ですが褒美をあげないと」
その功績に応じてというのだ。
「家臣もついてきません」
「皆食べないといけないですから」
蝉玉も言った。
「当時はそれが生きる糧だったので」
「それは今も同じです」
「だからですね」
「はい、褒美は絶対でした」
その功績にあげるべきものだったというのだ。
「それで刀や書物や武具、財宝もです」
「褒美にあって」
「そこにです」
そうしたものに加えてというのだ。
「茶器も入れて」
「土地の代わりにですね」
「しました」
「それで茶器も広まったんですね」
「そうなのです」
部員は蝉玉に五人の二杯目を淹れつつ話した、和菓子はまだありそちらはお代わりをせずにお茶だけをとなっている。
「当時から茶器はかなりの価値がありました」
「一国分の価値がありましたね」
スターリングが茶器の価値について述べた。
「当時から」
「織田信長さんの前から」
「信長さんが価値があると言う前に」
「いい茶器はです」
それはというのだ。
「既にです」
「一国分の価値があった」
「当時の日本の」
六十六の国に分かれていたそれのというのだ。
「そうでした」
「そうだったんですね」
「その茶器を褒美に与えて」
「土地の代わりにしていましたか」
「そうでした、そして」
「そこからもですね」
「茶器は広まりました」
そうなったというのだ。
「そして茶道も」
「茶器が広まって」
七海も言った。
「そして茶道もでしたね」
「元々茶道も広まっていたので」
「両方が影響し合って」
「余計に広まって」
そうしてというのだ。
「我が国に定着しました」
「じゃあこの部活の茶器はどうなんですか?」
七海は今自分が持っている碗を見つつ言った。
「こちらは」
「高校の部活ですから」
部員は七海に笑って答えた。
「ですから」
「安いものですか」
「全部市販品です」
工場で大量生産される様なものだというのだ。
「そうしたものです」
「そうですか」
「はい、これといってです」
特にというのだ。
「高くありません」
「そうですか、やっぱり」
「織田信長さんが集めた様な茶器は」
そうしたものはというと。
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