暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第二章 〜罪と罰〜
その八
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仕事の邪魔になってはいけないから、と笑う。
「……うん、分かった」
「桜?」
亜沙が声を上げる。
「ただし!」
桜が語気を強める。
「どういう“対処”をするのかをちゃんと教えること! 一人で全部背負うなんて許さないからね!」
当時、桜から送られてきた手紙の内容を思い出す。稟や楓はどうして自分に話してくれないのか? どうして自分を頼ってくれないのか? どうして自分達だけで背負おうとするのか? といった内容が数多くあった。大切な幼馴染達が苦しんでいるのに自分は何もできない。いや、何もさせてもらえない。どれだけ苦しかっただろうか。かつての自分を思い出し、苦笑する。母や妹も同じ想いを抱いていたのだろう。
(待てよ? もしかして“あの感情”の正体はまさか……)
「柳ちゃん? 聞いてるの?」
「ああ、すまない。それと……」
「?」
「ありがとう、桜」
そう言って柳哉は微笑んだ。桜も安心したように笑う。
「もう! これでボクがいやだって言ったら、ただの空気読めない子じゃない!」
亜沙が怒ったように言う。確かに。
「お願いできますか?」
「桜と同じ条件でなら、ね」
「もちろんです。ありがとうございます、亜沙先輩」
(稟、楓。お前達は本当に果報者だよ)
内心で幼馴染達に語りかける。自分もそんな彼女達と同じ時間を過ごしたかった。しかし、同じ時間を過ごさなかったからこそ、この対処法が執れる。
(ま、俺は俺にできることをやっていこう)
まだ時間はあるのだから。
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