第三百二十四話 総帥さんその十三
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「そこに送るみたいだよ」
「島流しね」
「文字通りね、セントヘレナ島とか」
「ナポレオンみたいね」
「そんな話もあるよ」
「その辺りシビアねね」
「シビアっていうか」
その辺りはだ。
「やっぱり何処でもどうしようもない人もね」
「いるってことね」
「残念だけれど」
本当に残念なことにだ。
「そうした人もいるから」
「そうした人についてはね」
「クビに出来ないと」
当然不祥事を起こしたらそうなるけれどだ。
「そうなるよ」
「会社もそうするしかないのね」
「やっぱりね」
「あっ、義和君」
ここで親戚の人達が僕に声をかけてきた。
「こっちに来てよ」
「はい、またお餅つきですね」
「それもあるし」
若い人、大学生の義三さんが言ってきた。本家筋の人の一人で僕にとってはお兄さんの一人みたいな人だ。
「総帥さんにもね」
「挨拶ですね」
「まだしてないよね」
「はい」
「だったら」
正直に答えた僕にさらに言ってきた、明るい顔立ちで背は一七〇位でがっしりとした体格は柔道家みたいだ。
「これからね」
「挨拶もですね」
「しないといけないから」
「わかりました、じゃあ香織さんも」
義三さんに応えてから香織さんにも声をかけた。
「今からね」
「総帥さんにご挨拶ね」
「一緒に来てくれるかな」
「わかったわ」
香織さんは僕の誘いに笑顔で頷いてくれた。
「それじゃあね」
「今からね」
こう話してだった。
僕は香織さんと一緒に総帥さんのところに行った、そうして挨拶をさせてもらった。
第三百二十四話 完
2021・3・15
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