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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
傭兵-あんさつ-
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配する。ある意味原始的な文化に逆戻りし、世紀末のようになったかつての都会。
かつて歩いていた歩道や道路はモンスターが跋扈し、人々は怯えながら瓦礫の陰を歩く。
でも、そんなところを俺は生き抜いた。いや、運良く生き残れた。
この力が無ければ…そして、武蔵ちゃんが来なければ俺は…きっと…。
「…大和くん。」
「…!」
と、思いにふけっていると武蔵ちゃんの声で現実に引き戻される。
いつもとは違う、張り詰めた感じの声。
無意識に俺は武器の入っている楽器ケースを開いていた。
「…。」
「何か変…殺気みたいなものを感じる…けど」
「けど?」
「わからない。どこから来てるのか。気配もまるで感じない。」
武蔵ちゃんも刀を手にし、鯉口に指をかけている。
そして開けていた窓を閉め、彼女は振り向くと、
「武蔵ちゃん?」
「ここにいて!」
走り出し、扉を蹴り開ける。
そのまま彼女はどこかへと走り出して行った。
「敵…なのか?」
武蔵ちゃんのあの反応。
きっと近くに敵がいるのは間違いない。
俺も武蔵ちゃんほどではないにしろ、殺気とかそういったものは感じ取れる。
しかし、今武蔵ちゃんが感じ取ったものは俺は何も感じられなかった。
「…。」
いつになく真剣な顔をしていた。
それに、戦うなら俺も一緒に行こうとしたが武蔵ちゃんはここにいてと言った。
いや、分かる。俺をここに置いた理由が。
まだ…覚悟が決められないからだ。
あの時ステンノのマスター、陸と約束したにも関わらず、俺はまだ迷っていた。
武蔵ちゃんは守る…しかし、人は殺せない。
殺さなければ、奴らはきっとまた来る。なのに俺は…甘さを捨てきれないでいるんだ。
「…。」
ふっ、と首筋を風邪が撫でる。
神経が過敏になっている今、反射的に振り向いてしまうもそこには誰もいない。
開きっぱなしの窓があるだけだ。
「…?」
いや、待て。
どうして…窓が"開いている"?
武蔵ちゃんはさっき確かに窓を閉めた。
立て付けが悪いのか?いや、そんなはずない。
「…。」
そのときだ。
背中に、ぞくりと冷たく突き刺さる"何か"を感じた。
これは…!
殺気だ!
「っ!!」
咄嗟に刀を拾い上げ、振り向く。
振り返った先には眼前に迫る刃。
それをギリギリで受け止め、俺は感じた殺気の正体を見た。
「お前は…!」
「ほう…わしの一撃を受け止めたか…マスターにしては中々やるのう。」
後ろにいたのは、サーヴァント。
幕末時代、人斬りとしてその名を轟かせたアサシンクラスのサーヴァント。
その名も、岡田以蔵。
「しかしおまんも運が悪い。財団にたてついた奴ぁ全員、皆殺しぜよ。」
「ッ!
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