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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
傭兵-あんさつ-
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は必要ないにしろ、人間である俺は限界だ。
久し振りに安心して眠りたいので、俺も武蔵ちゃんに同意した。

「…。」
「…。」
「手、繋ぐ?」

そうして2人して歩くも、沈黙が流れる。
しかしここで武蔵ちゃんが口を開いた。

「え?」
「あ、あーほら!フリよフリ!私達何の変哲もないただのカップルでーすみたいな!」
「…。」
「敵を欺くための作戦なのです!別にやましいこと考えてませんし!?」
「手を繋ぐのは…やましい事じゃないと思うよ…ほら。」

引っ込みかけた武蔵ちゃんの手を掴んで、ぐいと引き寄せる。

「…。」
「これで大丈夫…だと思う。俺達どこから見てもお似合いのカップルだろうさ。」
「お、お似合い!?私が…!?」
「…。」

なんだろう…提案したのそっちなのにどうしてそこまでパニックになっているんだろう。


?


それから、

「少しカビ臭いけど…ベッドもあるしまぁいっか!」

繁華街から少し離れた安いホテルに泊まることにした。
実は、ああやって追手に追われ続けたせいで運び屋の仕事もままならず、最近はロクに稼げていない。
さらに先程の洋服代も重くのしかかり、こうして郊外のオンボロホテルに泊まることとなった。

「でも…本当にバレなかったな。」
「ええ、一時はどうなるかと焦ったけど、あの人達ホントに私達がお尋ね者の二人って気づいてなかったものね…。」

で、この変装なのだが
効果は覿面だった。
あれから数十分後、町に葛城財団はやってきた。
街の住人は邪険そうにしていたがそんな事気にせず、奴らは銃を片手にあちこち走り回っていた。
しかし俺達には気付かない。なんなら何度かすれ違ったりもした。
こうして、変装して溶け込む作戦は大成功というわけだ。

「大和くんの作戦もたまにはうまくいくものね!」
「たまにってなんだよ…。」

キャップを脱ぎ、うんと伸びをしてから窓を開け換気をする武蔵ちゃん。

「眩しい夜景ね…。」

窓の外は繁華街の明かりが作り上げる煌びやかな夜景が広がる。
世界が崩壊し、ほとんどのインフラが停止。
しかしここまで経つと、中にはかつての文明レベルまで持ち直したところもちらほらある。
今立寄ってる町がまさにそうだ。
努力のおかげ、もあるかもしれないがやはり一番の要因はサーヴァントの存在だ。
彼らがいなければ、この町もここまで復興していないだろう。

「少し前は、こんなこと考えられなかったもんな。」
「ええ。いつ死んでもおかしくない…誰もが生き残ることに必死だった。」
「…。」

明日死ぬかもしれない。いや、今次の瞬間には死んでいるかもしれない。
俺達が見てきたものは、そういうシビアなものだった。
力こそが全てを支
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