誘惑
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に、彼の肩に青いプラスチックが乗る。
プラモデルのような材質だが、動くそれ。馬の形に、頭に角を付けたようなデザイン___すなわち、ユニコーンの姿をしている。
「この前の公園から、ずっとコイツを君に付けていたんだ。異常があったら、俺に知らせるようにって」
「……それ、ストーカーじゃないですか?」
「あはは。まあ、今回は役に立ってるから、許してよ」
ハルトは、そう言って、じっとスイムスイムを睨む。
「君は……いつかの……」
「……ウィザード……」
スイムスイムが顔をしかめる。
そんな彼女の前で、ハルトは紗夜をかばうように右手を伸ばす。
「紗夜さん、逃げて」
はっきりと告げられた言葉。
だが、紗夜の体よりも先に、スイムスイムの殺意が先に動いた。
紗夜の首元を狙ったナイフ。
ハルトが紗夜を引き込み、逆に自らの体を盾にするようなことをしなければ、紗夜自身が首を守れたか怪しい。
「っ!」
「……!」
苦痛に歪むハルト。彼の腕から、血しぶきが飛んだ。
そのまま紗夜とともに転がるハルト。
「大丈夫、紗夜さん!」
「松菜さんこそ……」
彼の怪我の方が、転んだだけの紗夜よりも重い。だが、彼はそれに構わず、紗夜より先に立ち上がり、スイムスイムの前に立ちふさがる。
「いきなり何を……そうか……」
ハルトの目線が、紗夜の手に注がれる。その視線に、紗夜は思わず包帯に巻かれた手を引っ込めた。
「……またですか。また、この手のせいで……!」
「紗夜さん?」
紗夜は包帯の上から手を掻きむしる。
「何なの、本当に……! どうして私がこんなことに!」
もう歯止めが利かなかった。
命を常に参加者から狙われる恐怖に、どんどん声が大きくなっていく。
「どうして……! どうして私がこんな目に!」
「紗夜さん!」
「どいて」
スイムスイムの冷たい声がぴしゃりと届く。目の前に迫るスイムスイムのナイフが、紗夜へ振り下ろされる。
「させない!」
『コネクト プリーズ』
その前に、ハルトがウィザーソードガンでそれを止める。
金属がぶつかり合う音が響き、二人は鍔迫り合いになる。
「……邪魔」
スイムスイムはそのまま、バク転。体を液体にして、コンクリートの床の中へ潜っていった。
「これは……前に見た能力……!」
どこから来る。
ハルトが危惧した瞬間、その気配を察知。
「危ない!」
スイムスイムの狙いは紗夜。
つまり、極論ハルトを無視しても構わない。
紗夜のすぐ近くから、腕だけを出して、紗夜の首を狙う。
「この子、絶対にこういうの慣れてる……!」
紗夜も同じ感想を抱
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