暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・前半-未来会議編-
第十五章 青の雷竜《2》
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のか、入れてないのか分からない。
 押しているのだろうが、押し返されている。
「もう諦めたらどうなの、そんな腕ではもう無理でしょうに」
「あ? ああ、それ無理。それでもやんなきゃ行けねえんだわ、せめてあいつには生きてもらわねえと」
「だから貴方には関係無いって言ってるでしょ! もう勘弁してよ、もう、もうもうもうもう限界なの! 貴方がいると奏鳴様は苦しむことになるの。だから――」
 だから、
「終わりなさいよ、日来の長!!」
 その言葉の後、流魔光は飛び散り、消えた。
 雨降る空間へと二人は戻った。
 そして、皆は見た。
 セーランを食らおうとする、巨大な雷の波を。
 その雷は実之芽のまとう雷から現れており、拳を交わしているセーランへと迫る。
 あ、から始まる言葉を日来住民は叫び、そして雷の波がセーランを覆った。
 一瞬の沈黙。
 それを掻き消すように、雷鳴が爆発し、雷の波は周囲数十メートルを洗い流した。
 閃光が放たれ、西二番貿易区域が光に照らされた。
 その場に立つ者が一人いる。
 実之芽だ。
 だが、勝利は確信してはいない。
 彼女の目の前。離れた場所に、セーランが立っていた。
 荒く呼吸をし、彼の衣服は所々焼けたような傷があり、全身は軽く焼けている。
 それでもなお、こちらに立ち向かおうとするセーランに対し、実之芽は動いた。
 まるで壊れかけの機械が動いているように歩くセーランへ向かって、地を蹴り距離を縮めた。
「……っ!?」
 セーランは突如、顔を掴まれた感覚を覚えた。
 それは正しかった。
 こちらとの距離を縮めた実之芽により、顔面を彼女の雷がまとった左の手で掴まれていた。
 そして今自分は、背後へと動いている。
 彼女が前に進んでいるのだ。
 その狙いは解っている。
 背後。端に寄せているコンテナに、こちらの身をぶつけようとしてるのだ。
 抵抗はしたいが、体が動かない。
 雷の波を受けて、体が限界を越えたのだ。
 さすがに、もう無理だと感じた。
 そして、背後。頭から硬いものへと激突した衝撃と共に、痛みが全身を襲った。
「ああああああ!!」
 痛みが体を駆け巡り、脳へと伝わる。
 その痛みから体が壊れたように、自身の意思を無視し体は暴れ、傷みから逃げようとする。
 しかし、実之芽はそれを力づくで押さえ込み、黙らせるようにコンテナにぶつける。
 頭から、彼の頭蓋を割るように容赦なく。
 十個程の鉄製のコンテナにぶつけた後、止めとし目の前に置かれているコンテナへと最後の一撃を放った。



 実之芽は、掴んだものが動かなくなったことを感じた。
 最後の一撃として、コンテナにぶつけたのが決め手となったらしい。
 ゆっくりと掴んだ左手を離し、彼の様子を確認した
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