エピローグ
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にその世界から飯の種を拾う巴らテロリストも。裏の世界にしがみついてまで、いまだ見世物としてのデュエルにこだわり続けるロベルトら裏稼業としてのデュエリストも。そしてこのご時世にデュエルモンスターズに手を染めた八卦や竹丸だって、結局はどこか頭のねじが抜け落ちているとしか思えないのだから。
「それでも、今回やったことは無駄じゃなかったでしょ?あのプラントは潰したし、裏デュエルコロシアム?だっけ?も、胴元がいなくなったならそれなりの打撃にはなるでしょ?そんな難しい話はおしまいにしようよ」
「いなくなったったって、巴のアホ狐も七宝時の爺さんも逃げ出したんだからこれでまた振り出しだろ?」
『あっ!現場から速報です!護送車の中に、まだ人が残っていました!』
まるで糸巻の反論に異を唱えるかのようなタイミングで、画面の中のレポーターが叫ぶ。嫌でも全員の視線が引き込まれた先で、恐る恐るマイク片手に近寄ったレポーターと付き添いのカメラがその残った人とやらを映し出す。
『おや、ブン屋かね?それも、生放送、か。ひひっ、ならちょっとそのマイク借りるよ。なあに、今話題の凶悪犯からの生放送さ。どこの局かは知らないが、箔がつくってもんだろう?……さて糸巻の、それに九々乃。聞いているかい、聞こえているかい?七宝寺だよ』
「おじいちゃん!」
寝息を立てていた状態からいきなりはね起きた少女が、テレビの中央に映る老人に駆け寄る。まさかその声が届いたはずもないが、合わせたかのようなタイミングでレポーターから奪ったマイク片手に老人がカメラをまっすぐにのぞき込んだ。
『初めにひとつ言っておくと、私は自分が間違っていたとは思わないよ。ただ、それでも敗北した。それが、カードの出した答えさ』
しんと黙りこくった店内に、老人の声が画面越しに響く。糸巻でさえ、いつになく神妙な表情でそのひとことひとことを、かつて伝説と呼ばれた男の最後の言葉を噛みしめるように聞き入っていた。
『実を言うとね、さっきここを出て行った巴のには私も誘われたんだ。私に対しては色々と思うところもあるが、それでも昔は世話になった身だからってね。でも、見ての通り私はここに残った。私のカードは私にすべてを諦めろと伝えたかったのか、それとも今はまだその時じゃないと教えたかったのか。少し、ゆっくりと考える時間が欲しかったからね』
「爺さん……」
『九々乃。自分の姪1人大事にできなかったおじいちゃんが何を言おうと九々乃の心には響かないかもしれないが、それでもこれだけは覚えておいておくれ。カードは、決して裏切らない。これから九々乃がどんな道に進むかを私が見ることはできないけれど、少なくとも九々乃がデュエルモンスターズを愛した心は本物だった。そのことを忘れなければ、いつだってカードは味方だよ……デュエリ
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