第一話 カルネ村(後編)
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になって体感時間を引き伸ばされている事に、ニグンは気が付いた。
2撃目の拳がニグンに触れる。
ニグンの体感時間はどんどん加速していく。
瞬間が1秒に。
1秒が1分に。
1分が1時間に。
1時間が1日に。
1日が1年に。
1年が1世紀に......。
激痛はより鋭く、より鮮烈に染み渡る。
動けない。
死ぬ程の激痛が引き伸ばされ、増幅されて襲い来る。
死ぬ程の激痛を味わいながらも死ねない。
死にたくても死ねない苦痛がニグンの心を砕く。
3撃目はスローモーションでやってくる。
避けられない。死ぬ。
死ねずに痛みで気も失えず、3撃目がゆっくりと迫るのをただただ、見つめるだけ。
「ゆっくりと味わうんだな、死ぬ感覚を。たったそれ、一つだけだ。お前達が辿るべき道は」
3撃目が触れた瞬間、ナバナの声がニグンには聞こえた気がした。
勿論、幻聴だろう。
ニグンはもう思考を放棄して、激痛に身を委ねる。
鋭い激痛が増幅されて思考と意識が無限に引き戻され続ける。
死にたくても死ねない、終わりのない終わり。
ニグンはその感覚を永遠に近い体感時間の中で味わいながら、一瞬で全身を水風船のように弾けさせて絶命した。
連打で弾け飛んだニグンだった肉塊を見て、兵士達はパニックに陥った。
逃げようと必死になった兵士はナバナの操る植物に取り押さえ、情けなく地面に組み伏せられる。
「敵前逃亡とは情けないな。御自慢の騎士道精神とやらを見せてみろ」
ナバナは人間の姿から本来の姿に戻し、両手を広げる。
恐怖で体が震えて、身動きが取れない者は持っていた武器も構えられず、尻餅をついて小便を漏らしていた。
「我こそは戦死した指揮官の代理で部隊の指揮を取り、武勲を挙げるという気概はないのか?」
兵士達は、身動きも止めて、ただ死を受け入れた。
ーーーNow Loading......ーーー
「モモンガさん。なんでアインズ・ウール・ゴウンを名乗ったのですか?」
「そうですね。もし、この世界に我々以外のプレイヤーが居れば協力したいなと思って」
「あぁ、なるほど。では当面の目的は知名度を上げていく感じになるんですかね?」
「とりあえずは。それと、ナバナさん。今回救ったカルネ村ですがーーー」
「いいよ」
「まだ何も言ってないんですが」
「カルネ村の防衛とかやってくれって事だろ?勝手に飛び出して来たのはこっちだし、友好的に接する事の出来た貴重な場所だ。村の近くの森に住んでカルネ村の様子を見守るよ」
「NPCに任せるつもりでいましたが、ナバナさんがやるのでしたら心強い」
「ああ。一緒に冒険......はしばらく無理そうだね。エントマにも謝らないと」
「守
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