第一話 カルネ村(後編)
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の様な者である。
当然そんな事にモモンガを含めて誰一人気付いていない。
「素手の、一撃で......最高位天使がやられた......だと!?」
目の前の光景が信じられないニグンは嫌な汗が全身から吹き出していた。
「お前達は......何者なんだ!?」
「アインズ・ウール・ゴウンだよ。この名はかつて、知らぬ者が居ないくらい轟いていたのだがね」
「ま、待ってくれ!アインズ殿......いや、アインズ様!私達、いや私だけで構いません!命を助けていただけるならば、望む額をーーー」
その言葉はナバナによって遮られた。
ナバナはニグンの首を掴んで持ち上げていた
「確か......選ぶべき選択が二つあると、お前は言ったな。お前にはそんな選択肢はあり得ないかな......」
大人でそれなりに鍛えた体格のニグンだったが、ナバナの首掴みから逃れる事は出来なかった。
「モモンガさん......少し、後ろに下がって貰えますか?」
「あっ......ハイ」
ナバナの満面の笑みを見て、モモンガは少し引きながら後ろに下がった。
「ふぅん......」
ナバナは首を左に少し傾けて、息を吸った。
「うぉおおおおおおおおお!!」
瞬間、ナバナは叫びながら目にも止まらぬ速度で拳をニグンの身体に叩きつけた。
物体が音速を超えた場合、周囲には凄まじい衝撃波と音波が発生する。
俗に言う「ソニックブーム」だ。
コンコルドのようなジェット機が上空を飛んだ場合、ソニックブームの影響で地上のガラスが割れるような被害もあるという。
何故このような話をしたかと言うと、ナバナの振るう拳がそのコンコルド同様に音速を超えていたのだ。
拳の一撃一撃が音速を超えてニグンの人体に叩きつけられる。
音より早い一撃。それが連続で打ち込まれた場合、どうなるだろうか。
人間の体にジェット機が突っ込んだ時にどうなるのかと同じである。
全身の筋肉が衝撃に耐えられず、人体は破裂して肉片に変わる。
いくら鍛えられたと言ってもニグンの身体も、それは例外ではない。
ただ、ニグンの身も心も死滅させるにはこの一瞬はあまりにも長過ぎた。
ニグンの身体にナバナの拳が1発入った瞬間、衝撃が全身を走り、筋肉が悲鳴を上げて、耐え切れずに筋繊維が破損し、全身の骨にもヒビが入る。
瞬間、ニグンの感じる世界は景色を変えた。
世界は色を失い、白と黒の濃淡だけになり、無音無臭となった。
ナバナの音速を超える動きがニグンには視認できた。
だが、痛みだけは消えてくれない。
およそ体験したことのある激痛を何倍、何十倍、何百倍にも鋭くしたような強烈な激痛が身体にゆっくりとやってくる。
動きは視認できるのに、身体も指一本動かせない。
感覚だけが鋭敏
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