お姫様
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日菜が逃げた。
それを確認した龍騎は、そのまま意識をアヴェンジャー、スイムスイムへ集中する。
飛び掛かって来るスイムスイム。それに対し、龍騎は身構えた。
「この……っ、やめろ……!」
龍騎はがっしりとスイムスイムの腕を掴み、振り回す。放り投げたスク水少女は、空中で一回転し、着地した。
「ケッ」
スイムスイムの背後に立つ晶が唾を飛ばす。
会場の外で見た時と同じ人物とは思えない。
警戒を浮かべる龍騎に対し、晶は腕を組み、右手をぶら下げる。
「あきらっきー……ムカつく奴をぶっ潰してえと思ってマスターになったけど、こっちの方が先に達成できそうだぜ……」
晶が顔を歪める。そこまでの表情筋があるのかと感心したくなるような動きに、龍騎は思わず舌を巻いた。
「願いを叶える……先にてめえら皆殺しにして、私の願いを叶えてやる!」
「願い?」
「私より上の奴らは全員破滅しろってなあああ! やれ! スイムスイム!」
晶の命令とともに、スイムスイムが動く。
鋭いナイフが、龍騎の装甲へ滑っていく。
『ソードベント』
手慣れた手つきで、龍騎はドラグバイザーを鳴らす。召喚したドラグセイバーで、スイムスイムのナイフを受け止めた。
「ぐっ……」
少女のはずの予想外の力に、龍騎は思わず圧される。そのまま、龍騎の背中が壁を砕いた。
「やめ……やめろおおおおおおおおお!」
龍騎はドラグセイバーで押し返し、スイムスイムを転がす。
「お前、何で日菜ちゃんを狙うんだ!? 参加者じゃないだろ!」
「うるせえ!」
だが、晶は龍騎に怒鳴りつける。爪を噛み、ギリギリと歯ぎしりの音まで聞こえてきた。
「ムカつく……ムカつくんだよ! あきらっきーよりも目立ってキラキラしているアイツが! あの姉妹、二人とも!」
晶の言葉に合わせて、スイムスイムの猛攻が龍騎を狙う。まるで主である晶の怒りに呼応しているようだった。
だが、龍騎の目は、スイムスイムの動きを捉えた。ドラグセイバーでナイフを叩き落とし、逆にその細い体にタックルを決める。
攻撃のために液体化を解除していたスイムスイムに、防御する手段はなかった。コンクリートをも砕く龍騎の攻撃に、スイムスイムは表情を歪めて床を滑った。
「このクソボケカス! 何やってんだよ!」
晶はそう言って、スイムスイムの背中を蹴り飛ばす。
転がったスイムスイムは、何も言わずに四つん這いになる。
「おいやめろ!」
龍騎の変身を解除し、真司は晶を食い止めようとする。だが、背後から羽交い締めにしたにも関わらず、晶は真司を振り払う。
「うっせえ! てめえには関係ねえだろ! このおっさん!」
「おっさ……俺ま
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