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オーバーロード 〜もう一人の超越者〜
第一話 カルネ村(前編)
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い。
B村を攻撃していたのは【バハルス帝国】の騎士と思われる。【リ・エスティーゼ王国】と【バハルス帝国】は慢性的な戦争状態にあり、打開策を見出せずに膠着状態が続いている。
 国境近くにある城塞都市【エ・ランテル】近隣の平野で毎年のように争っているらしい。
 兵農分離が行われていない為、随時農民が徴兵されており、村には戦闘能力の乏しい女子供と老人ばかりである事。

 一通り話を聞いて、ナバナとモモンガは村長と別れて村の広場に居た。
 村人達は死者の弔いや家屋の復興作業に取り掛かり、忙しそうにしている。
「さっきの話を聞いて......どう思いますか?」
「何にも魅力がない、位ですかね。兵農分離がされてないなら国としての生産力も徴兵の度に削れているわけですし」
「国の生産力削ってまで作った軍隊が優れているかも望みは薄そうだ」

 元々農民だった者たちをある程度使える兵士として活用できるようになるには、最低でも3〜4年はじっくりと訓練と経験を積ませる必要がある。
 だが、慢性的な戦争状態であれば、そんな期間はほとんど与えられずに戦場に投入されるだろう。
 そんな素人に毛が生えた程度の兵士をいくら投入しても戦況が変わるハズも無い。あるのは無駄に死人を増やすだけの悪循環だけだ。
 つまりこの国の軍事力は素人に毛が生えた程度の兵士で人海戦術を行うだけ。それでは自衛手段が乏しいのも納得だった。

「なんか......この村は、王国の今の状態を縮小したモデルみたいな感じがする」
 ナバナの言葉にモモンガは右手を顎に当てながら納得した。
「......なるほど。労働者の少ない村人、自衛手段のない状況......王国の現状の縮小版らしい要素は確かにありますね」

「そういえば、村長達は襲っていた騎士が紋章から帝国の人間だと言ってたけど......あの時、捕まえた騎士を殺すべきじゃなかったな......」
「......そうですね。帝国を偽装して王国との内乱を図ろうと動いていた法国の仕業かもしれませんでしたし、情報を引き出すべきだった。うっかりしてました」
「まぁ、後の祭りってやつですね。それよりーーー」
 ナバナは村長達が困ったような顔で相談している様子を伺っていた。
「また面倒事でしょうか?」
「聞いてみましょう」
 ナバナとモモンガは村長達に近付いて話を聞くことにした。
「どうかしましたか?」
「ナバナ様、アインズ様。実はこの村に騎士風の者達が近付いているそうで......」
 さっき虐殺の被害に遭ったばかりだ。不安になるのもしょうがない。
「あぁ......分かりました。村長以外の方々は屋内にいて下さい。村長は私達と一緒に広場で待機しましょう」
 モモンガは軽く溜息を漏らすとそう言った。
 村長達の顔に安堵の
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