第一話 カルネ村(前編)
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った。
空間から【クラック】が現れて中からロープのようになった蔦に絡み取られた騎士が二人出される。
「な、なんだこの植物は!?」
「離れない......身動きができない!」
【ヘルヘイム】の植物はあらゆる次元・あらゆる環境でも生息・繁殖できるよう凄まじい繁殖力と環境適応能力がある。
それだけに留まらず、常に空気中の水分を吸っている為、湿気を帯びており、燃えにくく、ゴムのような伸縮性とダイヤモンドのような硬度を持つ性質があり、反魔力物資である為、魔法による攻撃にも耐性がある
その為、北極のような極低温や溶岩地帯といった高温多湿な環境でも成長し、適応できる。
そんな【ヘルヘイム】の植物を自在に操作できるのは、YGGDRASILL全サーバー内でもナバナだけだ。
理由は単純明快。彼が全サーバー内で唯一の【インベス】プレイヤーだからである。
「【ヘルヘイム】の植物はいつ見ても凄いですね」
「えぇ、それだけが取り柄みたいなものですから」
モモンガは左手を騎士に向けて魔法を発動した。
「ちょっと魔法を試します。【心臓掌握(グラスプ・ハート)】」
心臓を握りつぶされるエフェクトが一瞬発動したように見えた次の瞬間、騎士の一人が断末魔を上げて生き絶えた。
「流石にこれが通用しなかったらすぐに撤退するつもりでしたが、効いてよかった」
モモンガは少しホッとしたような口調でそう言った。
それを見たもう一人の騎士は恐怖から来る声で上擦らせながら震えていた。
「煩いぞ」
少し黙らせるつもりで植物で首を縛ると、簡単に千切れ飛んだ。
「えぇ......弱過ぎる。かなり手加減したんだが」
「【中位アンデッド創造】、デスナイト」
モモンガがそう呟くと、どこからか現れた黒いモヤの様なものが、先程絶命した騎士に宿ってその肉体を変化させた。
「えぇ......死体に宿るの」
「ここら辺......YGGDRASILLとは違うな」
モモンガとナバナは興味深くデスナイトが出来上がる瞬間を眺めていた。
「デスナイトよ。同じような兵士を蹂躙せよ」
モモンガが指示を出すと、デスナイトはそのまま何処かへ走って行ってしまった。
「あれ?騎士が主人を放って先行するのか?」
ナバナのツッコミにモモンガは心の中で同意した。
ーーーNow Loading......ーーー
カルネ村から兵士が引いたのはそれから30分位経ってからだった。
デスナイトが適当に近辺の騎士を蹂躙してくれるので、ナバナとモモンガは歩きながら村へと向かっていた。
流石に見た目が見た目だったので、ナバナは人間の姿に擬態し、モモンガは仮面を被っていた。
「その仮面って、クリスマスにログインしてたら貰える【嫉妬の仮面】ですね」
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