第一話 カルネ村(前編)
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ら殺してやるから安心しなよ。アイツは幼女が好きだから運が良ければ殺さないかもな」
「一度も男を知らずに死ぬのが可哀想なんだな。死ぬ前に処女を散らしてやるのが紳士なんだな」
そう言ってもう一人の騎士がネムに馬乗りになる。
「やめて......妹には手を出さないで!」
「自分の心配をしろよ。お前も妹の目の前で犯されるんだからさ」
「やめて......助けて!誰か、助けてぇ!」
エンリはそう叫んだが、現実は非情だ。
逃げ込もうと思っていた【トブの大森林】までまだ離れている。強力なモンスターとこの騎士達が戦う事はまず無いだろう。
エンリの右腕は先程踏まれた事で骨が折れてしまっているのか鈍い痛みが走っている。
これでは何かを奪って反撃するのも難しい。
「嫌!いやぁあああ!お姉ちゃん!助けてぇ!」
「ネム......ぁぐ!」
頭を押さえられて妹が犯されそうになる場面を辛うじて右側の視界で見せつけられる。
不意に妹と目が合った。
妹の目には不安や絶望が混じった何かが写っているように見えた。
「(ンフィ......ごめんね)」
エンリとネムは恐怖から目を閉じた。
1秒後。
2秒後。
3秒後。
痛みも何もやってこない。
恐る恐る、エンリは目を開けた。
そこに映ったのは金色と緑色とステンドグラスの装飾を纏った異形の怪物の姿だった。
エンリとネムを押さえつけていた騎士達の姿はどこにもなかった。
「......あれ?」
怪物は騎士によって踏みつけられて骨折したエンリの右腕に触れた。
右腕が消失したかと思う程の激痛を感じ、目を見開いた。
かと思うと、エンリの右腕の骨折は完治していた。
先程まで過呼吸気味だったネムも、今は呼吸が落ち着いていた。
「まさか......あなたが【森の賢王】な......の......」
エンリとネモは急激に訪れた眠気に抗えず、その場に崩れ落ちた。
ーーーNow Loading......ーーー
村から離れた所にいた二人の元に着いたナバナは瞬時に【クラック】を開いて襲い掛かっていた騎士二人を排除して、二人の治療を行った。
「間に合ってよかった.....」
「良いか悪いかで判断するなら、良くはないですよ」
少し遅れてモモンガも到着した。
「......自分勝手で軽率な行動、だと思いますよね」
「でも、それが貴方でしょう。言って止まるような人だとは思ってませんよ」
モモンガに責められると思っていたナバナは予想外の答えに少し戸惑っていた。
「その二人は......?」
「治療は終えました。しばらくは起きないと思います。襲っていた兵士も生捕にしてますよ」
「では呼び戻して下さい」
モモンガの指示にナバナは従
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