第一話 カルネ村(前編)
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無数の世界の無数の歴史。
その中で無数の物語が光り輝いている。
そして無数の悪意と絶望もまた......。
殺戮を遊戯と称する邪悪な怪人達。
様々な生物の異形の天使達。
願望・欲望の為に殺し合う13人の戦士達。
死を超越した種族。
不死なる生物の真祖。
人を喰らう魑魅魍魎。
人間に擬態する地球外生命体。
過去改変を目論む魔人。
吸血鬼の如き存在。
星の記憶を内包した魅惑の小箱。
欲望の化身。
宇宙の力を宿したスイッチ。
絶望を引き金に生まれる幻魔。
108体の機械生命体。
物体の思念を纏う異界の怨霊。
人の肉を欲する人工生命体。
人を怪物に変貌させる水溶性の微細胞。
実体化する未知なる病原菌。
星を喰らう地球外の侵略者達。
時の彼方より現れる犯罪者。
そして......【ヘルヘイム】もまた。
無数の怪物達が蠢く悪夢の中にナバナは立っていた。
しかし襲われる気配はない。
元人間であっても今のナバナの姿は怪物であった。
怪物達が人間を襲い、殺戮を繰り返している。
誰かに「気に病む必要はない」と言われた気がした。
異形の姿に成り果て、人々から忌み嫌われる存在となった今、確かに人間の時に感じていた不安や苦しみは感じなくなったかもしれない。
目の前で恐怖と絶望で震える人達の悲鳴が響いている。
「誰か......助けて」
幼い少女が絶望の中、そう呟いて祈った。
逃げ惑う人々の中で確かにそう聞こえた。
「気に止む必要はない......か。ふざけるな!」
ナバナの拳が、逃げる人々に迫る怪物達を吹き飛ばした。
「たとえ僕が怪物に成り果てたとしても、それが誰かを傷付ける理由にはならない!」
ナバナの拳が、蹴りが、怪物達に叩き込まれる。
自分達と同じ異形の怪物が逃げ惑う人々に背を向け、襲い掛かる怪物達と対峙する。
怪物達は躊躇うように身動きを止める。
逃げる人々はナバナの姿を見て足を止める。
「どんなに辛くても、苦しくても......僕は!僕の信じた正義の為に、この命を使う!」
瞬間、怪物達は逃げ足を止めた人間を放置して一斉にナバナだけに襲い掛かる。
ナバナは持てるすべての技術と力で押し留めようとする。
「早く逃げろ!」
逃げる人々との間に巨大な蔓の壁を作り、逃げ遅れた人々を蔓の壁の中に放り込みながら、怪物達を蹂躙する。
物量で敵うハズはない。
しかし、ナバナの一撃で怪物達は水風船のように弾け飛んで爆散する。
また、ナバナだけにヘイトが溜まっている事が幸いして逃げ遅れた人々の救助も容易に行えていた。
だが、知能の無い獣ならば、どれだけ良かっただろう。
幼い命だけを人質
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