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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
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最終章『ふたりで…』
《真相解明》崩壊した世界で刑部姫とこの先生きこのるにはどうしたらいいですか?
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【ない。全くと言うほど描いてない。PCに保存してあるデータももはや白紙同然なのだ。】
「あぁやめて式部パイセン!!!!」

泰山解説祭によって暴かれた真相。
そう、一ページたりとも描いてないのである!

「じゃあどうすんのさ…。」
「て…てつだ」
「いっとくけどあたしは絵心ないよ。香子は…。」
「刑部姫様程の絵心は香子にはなく…。お力になれず申し訳ありません…。」

詰んだ。
このままではまーちゃんと再会するまで2年はかかってしまう。
そんなことをしていたらダメだ。
なんとかまーちゃんがピンチに陥るまでにこの同人誌を完成させ、そして泣かせ、感動の舞台を整えなければならない。
てゆうかそもそもピンチに陥る時までにって何!?自分で言っといてなにそれ!?
ピンチって予約制なの!?あらかじめわかるの!?そんなわけないじゃん!!

「いや待って。」

しかしそんな時、救いの光が差し込む。

「そこまでするならあたし達も協力はするよ。」
「ほんと!?」
「うん。だから…。」

そう言って葵ちゃんは、ポケットからスマホを取り出し、あるところに電話する。

「超強力な助っ人を呼んであげる。」


?

まーちゃんと会うまで、1ヶ月と半月前…

「で、おれとマイに手伝って欲しいと。かまわねぇヨ?」
「あ"り"か"と"う"こ"さ"い"ま"す"!!!!!!!」

葵ちゃんが電話した人、
それは神絵師、葛飾北斎先生だった。

「にしても珍奇なモンだねェ、会いてぇならさっさと会えばいいのに。」
「いや、ただ会うよりはドラマチックな方がいいかなーって。」

何が何だかサッパリ分からねぇ、という北斎先生。

「僕は、その気持ち分かるかも。」

しかし(わたし)の気持ちを理解してくれる人はちゃんといた。

「分かる!?姫の気持ち!!」
「うん。会いたいけど、その感動の再会をより良いものにしたいんだよね。」
「そう、そうなんです!!」
「うん、分かった。何かあれば言って。僕、力になるから。」

そういいニッコリと微笑むのは舞ちゃん。
さすがはまーちゃんを惑わせた魔性の男の娘。その笑顔には(わたし)もやられそうになる。

さらにこの子は北斎(タコの方)からお墨付きをもらうほど絵が上手く、おまけに2人揃って何度もサバフェスには出たことのある大ベテラン。
この最強の2人がいればもう同人誌は明日完成するも同然だ。


それから、姫の潜伏先は葵紫図書館から2人の家となった。
これなら近くのホテルに蝙蝠を飛ばしてまーちゃんを監視しながら作業ができる訳だが…。

「いない…?」

探偵事務所に、まーちゃんはいなかった。

どこにも、いない。
どこに行ったんだろ
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