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おっちょこちょいのかよちゃん
144 冬田の我儘
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 皆は本部の正面玄関を出ると、そこには庭が広がっていた。
「この先一帯は私達の世界がある安全地帯ですが、元々はこの地の殆どは私達の世界のものでしたのです。しかし、戦争を正義とします世界の侵略によって多くの領土を奪われてしまいました」
 フローレンスは説明を続ける。
「その為、私達の世界でも多くの物が命を落としてしまい、元の住処を奪われ、この付近への移住を余儀なくされています状態です。しかも、この地域には結界を張って守っています者もいますが、敵もこの本部周囲を崩落しに狙っていますのも事実です。その為に領土攻撃班は奪われました土地を取り返します役目を、本部守備班は本部の地域を敵から守護します役名を担って貰います。また、皆様が情報を伝達できますようにこちらを支給しましょう」
 フローレンスは指を鳴らすとそれぞれの皆の前にロウソクのような物が現れ、かよ子達はそれを手に取った。
「こちらは小型化されました電話機です。上の膨らんでいます部分から声を出し、下の尖っています部分から相手の声を聞く事ができます。また、皆様の意志と連動してお伝えしたい相手にだけ伝達します事も可能です。但し、あくまでも業務報告や事態の連絡に使用してください。私用ばかりに使いました場合は没収しますのでよく考えて使ってくださいね」
「まる子、もし儂がまる子と離れてしまってもいつでも連絡するぞ!」
「うん、ありがとう、おじいちゃん!」
 まる子と友蔵はどこかの恋人同士かのように見つめ合った。まる子の姉は何しに来たのか疑いたくなるくらい呆れた。
(まるちゃんのおじいちゃん、大丈夫かな・・・?)
 かよ子も不安になった。何しろ友蔵は異能の能力(ちから)を持たず、この戦いに招集された身でもない。孫が心配でたまらず、勝手に来ただけである。それもここに来れたのはイマヌエルの情けである。フローレンスは戻れと伝えたものの、孫の命が心配を理由に渋々受け入れただけである。友蔵が瀕死の危機に陥ったら・・・、とかよ子は懸念していたが、今はそんな事を気にするのはやめた。
「剣奪還班の役目は少数勢力ですが非常に危険な役目になります。戦争主義の世界の本部に突入しなければなりませんのでそこの世界の長や赤軍と真っ向勝負になります事は避けられませんでしょう。しかし、私達が選抜しました10人の人達はかなり高い実力を誇ります者達です」
 かよ子は剣奪還班の面子を確認した。三河口を始め、その従姉の祝津ゆり、すみ子の兄の濃藤徳崇、長山の家の近所に住む北勢田竜汰、笹山の近所に住む徳林奏子、そしてゆりの隣の家に住んでいるという鷺森光江、スケバン女子の鯉沢輝愛、三河口の旧友の湘木克也、そして他に見知らぬ女子高校生二名だった。一人は気の強そうなポニーテールの黒髪の女子で、マフラーを巻いている。もう一人はブレザーの制服(他の女子高
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