暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第92話:希望を掴む為に
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形の巨大な鏡に、光が灯っていく。仮面の奥で颯人が一筋の汗を流した。

「おぉっと、ヤバい……逃げろッ!!」

[流星]

 颯人が警告すると同時に、未来のギアの鏡から強烈な砲撃が放たれた。その射線上には颯人だけでなく、まだ退避が完了していない翼達3人も居る。

「くっ!」
〈コピー、プリーズ〉
〈〈コピー、プリーズ〉〉
〈〈〈〈コピー、プリーズ〉〉〉〉

 颯人は咄嗟にコピーで自分の分身を作り出すと、一直線に並んだ状態で未来の砲撃に対して障壁を展開した。

〈〈〈〈〈〈〈〈ディフェンド、プリーズ〉〉〉〉〉〉〉〉

 展開された魔法の障壁は、未来の砲撃を受け止める。しかしあまり長続きはせず、砲撃は障壁を突き破り颯人の分身を消し飛ばす。1人の分身を消し飛ばすと次の分身が砲撃を受け止め、それも消し飛ばされるとまた次の分身が。それを何度も繰り返し、砲撃は徐々に本体に迫っていく。

「く〜、きっつ……翼ちゃん、早く2人をッ!」
「分かってます!」

 翼は切歌への牽制を止め、調を抱えてその場を離れる。切歌も巻き込まれては堪らないと、翼の事を放置して退避した。

 背後の安全が確保されたと見て、颯人は寸でのところで未来の砲撃を回避。ギリギリのところで砲撃は彼の横を通り過ぎ、虚空に飛んで消えていった。

「――――無垢にして苛烈。魔を退ける輝く力の奔流……これが、神獣鏡のシンフォギア……」

 翼に抱えられながら、不意に調が語り出す。彼女の口から出た聖遺物の名前に、翼が目を見開き未来を見た。

「神獣鏡、あれが――!!」

 あれこそが神獣鏡。響を救うのに必要な聖遺物が、あのような形で出てきた事に翼は複雑な驚愕を覚えていた。

「うん。ステルスもあれでやってた……。あの聖遺物の特性は、あるべき姿を正す事。そして、聖遺物由来の力の分解……」
「聖遺物由来の力の分解……!! なるほど、それで……」

 エネルギーを出し尽くしたのか、砲撃が徐々に弱まり細まって消えていく。
 エネルギーの奔流が収まった時、そこには艦上構造物を破壊された甲板の上に佇む未来と、砲撃をギリギリで回避し甲板に膝をついている颯人の姿があった。颯人は真横を強烈な砲撃が通り過ぎていったことに肝を冷やしつつ、仮面の奥では小さく笑みを浮かべていた。

 状況は、決して良いとは言えない。透とクリスはジェネシスの幹部を相手に苦戦している上に、未来が敵に回てしまった。しかもその未来がよりにもよって響を助けるのに必要な聖遺物をギアとして纏っている上に、引き剥がすような事をすれば未来の身に危険が及ぶと言うおまけつき。

 そんな状況であるにも拘らず、颯人は確かに笑みを浮かべていたのだ。
 状況は確かに良いとは言えない。だが彼はそこに、確か
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