第六百二十四話 茶道をしてみたその八
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「まさに覇王」
「そしてその項羽も」
「詩を残しています」
「力は山を抜きですね」
「そうでした」
この詩は司馬遷の史記にある、ただ項羽自身が詠ったかというと実はわからない。司馬遷の創作の可能性もあるし他の誰かの作品の可能性もある。
「あの人もでした」
「詩人でもあって」
「芸術の素養も」
これもというのだ。
「ありました」
「そうでしたね」
「そして煬帝は」
蝉玉はまた彼の話をした。
「詩人としては」
「素晴らしかったですね」
「優れた詩を残しています」
多くのそれをというのだ。
「そうでした」
「暴君でもですね」
「お父さんもお兄さんも殺して帝位に就いて」
父の文帝を弑逆したかどうかは諸説ある、ただ煬帝を排除しようとしてそこで急死したことは事実らしい。
「その後も贅沢に溺れて」
「無理な戦争をしてですね」
「はい」
蝉玉は高句麗遠征の話もした。
「そして国を滅ぼした」
「暴君ですね」
「頭は悪くなかったそうですが」
ただし狡賢い部分は多々あった。
「ですが」
「暴君って頭悪くないよね」
菅が言ってきた。
「大抵は」
「ああ、紂王とかね」
蝉玉はすぐに自国の暴君の代名詞を話に出した。
「あの人もね」
「頭はよかったね」
「抜群にね」
頭の回転が早く弁舌にも長けていた。
「そうだったわ」
「それでもね」
「酒好きの女好きで」
「贅沢も大好きで」
「しかも残酷だったから」
この要素もあってというのだ。
「暴君だったわ」
「そうだよね」
「それじゃあ井伊直弼さんも」
スターリングはお茶を飲みつつ述べた。
「我が国の大統領でもいたけれどね」
「暴君タイプがいたんだね」
「千数百年の歴史の中で何百人も出ているから」
アメリカ大統領もそれだけ代を重ねているのだ。
「その中にはね」
「暴君タイプもいたね」
「そうだよ、けれどそうした大統領達も」
その彼等もというのだ。
「頭はね」
「よかったね」
「そうだったよ」
スターリングは菅に答えた。
「頭が悪いって人はね」
「いなかったね」
「そうだったよ」
「それで井伊直弼さんも」
今茶道から話に出ている彼もというのだ。
「教養豊かで」
「学問もあって」
「頭はよかったね、それに」
菅は彰子に応えて述べた。
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