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提督はBarにいる。
艦娘と提督とスイーツと・74
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督に教わったカレーが、比叡は一番好きなんですよ」

「って言ってもなぁ。俺がお前に教えたのって所謂『家庭のカレー』だぞ?その辺の普通のカレーと変わらんぞ」

 ウチのカレーは普通も普通。ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎに、その日安かった肉と市販のカレールーだ。工夫してる所と言えば、玉ねぎを具として食べる分と先に炒める分に分けて、先に炒める分はすりおろすかみじん切りにする事。後は最低でも2種類以上の辛さの違うカレールーを混ぜて使う事位か。カレールーをミックスして使うと、それぞれスパイスの配合が違うから簡単に味が複雑になって深みが出るんだ。

「それでも、提督のカレーが私にとっては世界一のカレーなんです!」

「さよか」

 そこまで褒められると、悪い気はしない。

「そういえば提督、何で比叡にお料理教えてくれたんです?」

「あ〜、それはだな……金剛に泣き付かれてな」

 実をいうと比叡に料理を教えてくれと金剛に頼まれたのだ。当時比叡は新しいカレーが出来る度に姉妹に振る舞っていたらしく、食べる度に体調不良になっていた妹達を見るのが辛い、と助けを求めて来たんだよ。まぁ、自分よりも妹が苦しんでるのを見るのが辛い、っていう辺りが金剛らしいっちゃらしいが。

「む〜……」

「どうした?膨れっ面で」

「なんか結局、お姉さまと提督のノロケ話になってません?」

「しかたねぇだろ?事実なんだし」

「比叡だって、お姉さまに負けない位提督の事好きなのに……」

「あんまり俺を取り合って姉妹喧嘩はしてほしくねぇんだがな」

 俺もなるべく嫁艦には公平に接しようとしてはいるが、やっぱり金剛は俺が惚れた唯一のオンナだからな。どうしても多少は優遇してしまう所はある。比叡はその直ぐ下の妹だから、身近にいる分余計に差を感じるし、嫉妬してしまうんだろうな。

「比叡」

「……なんですか」

「今度、カレーご馳走してやるよ」

「そんなので機嫌直してあげませんからね」

「じゃあ食わんのか?」

「……たべます」

 結局食うんかい。だが、そんなちょっぴりアホの娘で素直な比叡が一番可愛らしく見えるんだよな。思わず頭を撫でてしまう。

「……えへへ///」

 比叡も満更ではないらしく、頬を赤らめて大人しく撫でられている。

「ちょっろいなぁ」

「ちょっと!?」
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