艦娘と提督とスイーツと・74
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入れて美味しく作る事ができるとも聞きました!」
「そうだな、確かに夏野菜を入れたり旬のシーフードを入れたカレーなんかは美味い。……つまり?」
「だから比叡は閃いたのです!メロンとスイカを入れれば、まだ見ぬ『比叡特製カレー』の可能性が……!」
「はい、ギルティ」
「あ痛ぁ!?」
ゴン、と音がする位強めに比叡の頭にチョップをかます。痛みの余りにスイカとメロンを落とすかとも思ったが、落とさなかったのは褒めてやろう。
「あいたたたぁ……何するんですか司令!?頭がへこんじゃったらどうするんですか!」
「うるさいこのおバカ。あのなぁ比叡、カレーに何でもかんでも突っ込もうとするのは止めろ」
「ほぇ?何でですか?」
比叡はきょとん、とした顔で首を傾げている。その顔のアホっぽさと来たら、こいつ何も考えてないんじゃ?と疑いたくなる。
「確かにカレーは色んな食材に合う。一見合いそうにない食材でも合う、不思議な料理だ」
「その通りですよ、司令!カレーはどんな物でも合うんです!だからこそ色んな食材を入れて美味しくしようと比叡は努力を」
「でもな?どうやっても合わない物もある」
「まさか、そんな事ありませんよ!」
「……じゃあお前、カレーにきゅうり入れられるか?」
メロンもスイカも、元を正せばきゅうりと同じウリ科の植物だ。甘味なんかの差はあるが、近い所はある。
「きゅ、きゅうりですか」
「そうだ、流石にきゅうりは合わんだろ?だからその親戚のスイカやメロンだってーー」
「その発想はありませんでした!」
「……はっ?」
「成る程、きゅうり!まだ試した事はありませんでした!是非試してみます!」
「だからやめいっちゅーに」
再び比叡の頭にチョップ。流石に2連発は効いたのか、蹲る比叡。あ、スイカとメロン手放して頭抑えとる。でも優しく置いたのは評価出来る。
「とりあえず、執務室に来い」
「な、何でですか」
「俺がカレー作りを教えてやる」
「あ、ちょっと!」
蹲っていた比叡の手を掴み、執務室に引っ張っていった。そこでカレーを作らせてみたが、実は手際は悪くなく、むしろ上手い方だった。話を聞けば、比叡がお召し艦ならぬ汚飯艦、なんて陰口を叩かれる様な酷い料理の原因は無理にオリジナリティを出そうとして変な食材をぶちこみまくり、結果としてあのトンデモ料理が完成していたらしい。なので俺は奇をてらわず、『普通に』作る様に指導した。それでも数年掛かったが、今ではウチの比叡は新入りの娘達からは『料理上手のカッコいいお姉さん』と認識されていたりする。当時を知る奴等は苦笑いしているが。
「お姉さまに教わったカレーも好きですけど、提
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