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イベリス
第十六話 ゴールデンウィーク前にその六

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「仏様だからもう悟りは開いてるわよ」
「そういえば」
 咲もそう言われてある話を思い出した、それで愛に対してその話をした。
「弥勒菩薩がね」
「修行してるでしょ」
「五十六億七千万後に全ての人を救う為に」
「そうでしょ、まだあるから」
「悟りを開いても」
「そう、まだね」
「あるのね」 
 咲は愛に途方もない様なものを身る目で述べた、事実彼女はそこにとても見えない様なものを見ていた。それが何かは言葉がなかった。
「そうなのね」
「弥勒菩薩でわかるでしょ」
「そう言われるとね」
「だからよ」
「仏様もそうで」
「何処までもよくなるのよ」
 こう咲に話した。
「人はね、そして世の中もね」
「何処までもよくなるのね」
「完璧ってなくて」
 それでというのだ。
「どんどんね」
「よくなっていくのね」
「宇宙みたいなものよ」
 愛はここでさらに言った。
「要するに」
「宇宙となの」
「宇宙には限りがあるけれど」
 それでもというのだ。
「その限りわからないでしょ」
「ちょっとね」
 それはという返事だった。
「流石に」
「そうでしょ、その宇宙に出る様なものよ」
「上がないのね」
「お空を出ても宇宙に出て」
 そうしてというのだ。
「さらによ」
「先があるってことね」
「そうよ、だから咲ちゃんもね」
「どんどんよくなるのね」
「そういうことなの。だから努力して悪い方には行かない様に注意して」
「よくなっていくことね」
「今以上にね」
「そうするわ」
 咲は愛に強い声で頷いた。
「これからは」
「そうしてね」
「ええ、私も頑張るわ」
 誓いもした。
「これからね」
「そうしてね。それで幸せになってね」
「いい人になれば幸せになれるの」
「というか何でもいいことだって思える様になるのかしら」
 いい人ならというのだ。
「そうなるのかしらね」
「いい人は何でもいいことって思えるのね」
「そうかもね、不平不満ばかりの人って人としての徳がないしね」
「徳がないから不平不満ばかり言うのね」
「誰だって思うところはあるわよ」
 それ自体はというのだ。
「やっぱりね、けれどね」
「その不平不満をどうするか」
「不平不満だけじゃなくて」
 愛は強い声で言った。
「そこからその不平不満を解決することよ」
「その為にどうするかなのね」
「努力してね、それがいい努力なら」
 それならというのだ。
「自分を磨けてね」
「徳を高められるのね」
「それならね」
「不平不満を感じても」
 それでもというのだ。
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